毎月お題の短編練習枠(🌱初心者歓迎)

皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )

🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。

🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。

🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。

🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html

🌱お題は毎月一日に更新されます。

🌱提出期限は毎月28日までとします。

🌱お話はいくつ投稿しても構いません。

🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。

🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)

🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。

🌱感想だけのご参加も大歓迎です。

🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。

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【4月お題】

「卵」「楽園」「嘘」

投稿期間 4/1 0:00〜4/28 23:59

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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……

そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )

※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。

📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」

※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。

企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m

@かがり いずみ さん今月もご参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )

 卵から産まれるものは、なにも鳥に限った話ではありませんが、この引きですと何モノが産まれるのか分からなくて想像が膨らみますね🐣🦖
 『解放の楽園』を“夫への復讐劇”と考えれば、ソレはきっと怪物で、“夫の居ない世界への生まれ変わり”と考えるとK子さん本人が産まれたのかも知れません。寝込みを襲わせるつもりだったのなら、やはり前者の可能性が高そうですが、その場合間に合わなかったのが悔しいですね。刑務所に差し入れしてやりたい所です Ψ( `▽´ )Ψ
 ただ、4月のお題に「卵」を入れたのは、イースター(復活祭)を意識しての事でしたので、そういう解釈も出来る終わりのお話に、私しは満足です( ᜊ ˘꒳​˘ )ᜊ🌱

返信

ふたば様
今月も参加しますよ。

タイトル:夜市のたまご(798文字)

私がいとこのK子が夫からひどいDVを受けているのに気付いたのは3ヶ月前だった。
よくある話だ。最初は優しいが、次第にDV男の本性を表し、最近ではささいなことで手も上げるようになったらしい。
私が再三、警察に相談に行こうと言っても、K子は頑として首を縦に振らなかった。

そして、こんな話をし始めた。
「この間、ふらふらとS神社のあたりを歩いていたら、夜市が立っていたの。不思議なことに、見物人もいなければ、祭囃子が聞こえるわけでもない。しんとした中、ただただ、青色の提灯の明かりに照らされた夜店が幾つも続いていたの。」
「突然、お嬢さん、と声をかけられた。見ると、狐の面をかぶった男の売り子が手招きをしていた。その売り子が『この卵を育てなさいよ』と言って、売り物の卵を見せてくれた。」
「その時、ああ、これが私を解放の楽園に連れて行ってくれるって、なぜかそう思ったの。そして、あの卵を買ったのよ。」
だから、大丈夫…
そう言って、K子は傷ついた顔で笑った。

今、その卵は私がこの日記を書いているパソコンを置いた机の上にある。
結局、K子は夫の激しい暴力のせいで、昨日、亡くなってしまった。
夫は逮捕され、夫の寝室にあったこの卵だけが、警察官の手で私のもとにやってきた。
なんてことはない、石でできた卵型のオブジェだ。

結局、解放の楽園なんて言っても、どうにもならなかったじゃない。
私は悔しくなった。あの時、もっとなにか手を打てばよかった…。

それにしても、あんなに大事そうに話していた卵を、何でK子は夫の寝室に置いていたの?

その時、ピシリ、と音がした気がした。
ふと見ると、石の卵にヒビが入っている?あれ?

もし、これが本当に何かの卵だとして、
夫の寝室で、その何かが生まれる必要があったとして…
いやいや、そんなわけないか。
頭を振る。

ぱりり・・・。音がする。卵が割れる。

「え?嘘・・・・」

ソレはユックリと這い出してきた。

返信

@狸沼よしふる さん初めまして( ᴗ ̫ ᴗ )
お題の方のご参加も有難う御座います🌱

掲示板は、どうやら“更新されたら”1番上に上がってくる仕様のようです。
更新の内容は、コメントが付くのは勿論、掲示板の内容や掲示板名を変更しても1番上に来るようですね⤴⤴⤴
この掲示板を運営するにあたって、内容変更はしょっちゅうですが、改行や空白を1つ変えるだけでも変更扱いになるので、やろうと思えば常に掲示板のトップに君臨する事も簡単です ☝️˙Ⱉ˙☝️

返信

失礼、映画や小説についての雑談掲示板を立てたら、自分のその雑談用スレッドが一番上に行っちゃって。
日付とかからすると、たぶんコメント投稿されるとスレッドが上に上がるんですよね?
テストも兼ねて、コメントしてます。

返信

@ふたば様、あんみつ姫様
温かいお言葉、ありがとうございます。
『下手な鉄砲も数打ちゃ当たる』などと言われないように、この掲示板含めて頑張ります。
しかし、今月のお題。
『楽園』、『嘘』から、あのミサイルを打ちまくる日本海の向こうの某国が頭に浮かんでしまって、他のイメージが湧いてきません。
もちろんそれはそれで、政治怖のような話が書けなくはないかも知れませんが、Yahooニュースでよく見るような、ノンフィクションドキュメンタリーのような話になってしまいそうです。
まあ、まだ月末まで時間がありますからゆっくり考えてみますね。
ふたば様の作品には自分も期待していますよ(^^♪

返信

(実は2月に“アレ”が現れなければ、その月のランキング1位は……)
私に金環はまだ時期尚早ですね。

返信

@ふたば 様
返信ありがとうございます。
日本語シソーラス連想類語辞典というサイトのご紹介ありがとうございます。
これは、いろいろな場所、場面、状況下で いかようにも応用できそうですね。
私の仕事=本業にも使えそうです。笑

さて、今月のお題三題ですが、タイトルは、「嘘」にしようかなと思っていた矢先、ふたば様からのメッセージを頂戴し、やられたぁ~と思いました。笑www
初心者とはいうものの、このイベントにトライしようとする方は、(私を除いて)相当な兵ぞろいでしょうから、手加減無しでお願いしますよ。

また、今月第一作をアワード受賞者天空さんに持っていかれそうですが、三題お題から多くの作品を生み出している手前、二番手三番手ならぬビリけつでも 最後まで諦めずにがんばりますので、よろしくお願いいたします。

というか、次のアワードは、ふたば様ですからね。
出来れば、このイベント作品から出てほしいなぁと思います。

返信

@あんみつ姫 さんコメント有難う御座います‪🌱‬

天虚空蔵さんは元々、隔週でお話を投稿されているストイックな方でしたので、遅かれ早かれ評価をされていくとは思っておりましたが、やはりいざ金環を勝ち取った姿を見ると嬉しくなりますね🌸(*´▽`*)🌸
ここから更に何本もアワードを取られると思うので、この掲示板発祥のお話が受賞された際には、後方腕組みでドヤ顔していようと思います。笑

近頃のお題は、本当に初心者歓迎なのか怪しい難易度となって来ておりますが、難易度が上がりすぎないよう調整していたりもします。
今月で言うと「嘘」はどんな組み込み方も出来る単語なので、実質お題は2つと考えられなくも無いです。まぁエイプリルフールネタで執筆しようとすれば、ガッツリお題3つですが……(;・3・)~♪ 

もしネタが降りてこない場合は、日本語シソーラス連想類語辞典というサイトを利用する事もおすすめですね。
https://renso-ruigo.com/

返信

ふたば様
4月になりましたね。
三題お題、今月も、頭を悩ませながら1作は、完成させたいと願っています。
このイベント企画から、アワード作品を!と、私も心機一転。
新たな気持でスタートしたいと思います。
継続は力なり。
ですね。
ふたば様のアップする作品は、主催者らしい重厚さを感じさせます。
先月は、天虚空蔵様がアワード受賞され、同好の士の一人として我がことのように嬉しく存じます。
次は、ふたば様かなぁ~。
と、根雪の残る我が家の庭に ふきのとうが目を出し始め、希望の光が差し込んできたように感じています。私もそろそろ本気出さなきゃ。
それにしても、三題お題は、いつも難題ばかりですねぇ。
お陰様で、歳を取るのを忘れそうです。感謝。 

返信

 芽吹きの季節となりました🌱
 ふたばの分布域でもサクラの開花が始まってまいりましたが、皆様の方はいかがでしょうか( ᜊ ˘꒳​˘ )ᜊ🌸

 本年度も皆様の才能開花、百花繚乱を特等席で楽しませていただく所存です。
 それでは、今月のお題です📝

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【4月お題】

「卵」「楽園」「嘘」

投稿期間 4/1 0:00〜4/28 23:59

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 どことなく神話チック(?)なお題となりましたが、「卵」と「楽園」は、どちらも「◯◯の」と頭に付けた比喩表現があるので、どんなお話になるのか案外幅が広いかも知れません。日本人は卵料理が好きですし、日常系も行けちゃいそうです。
 季節的なお話を狙ってもいいですし、プロットだけストックしているお話にお題を捩じ込んでも面白そうですね。🌼🐰🐾🐣🌷
 皆様のご参加、お待ちしております( ᴗ ̫ ᴗ )

返信

@芝阪雁茂 さんご参加有難うございます( ᴗ ̫ ᴗ )

 どこの職場にも委員長タイプの方は居るものですが、それが攻撃的な方だと空気は最悪ですよねʅ(๑  ᷄ω ᷅ )ʃ🌀
 そんな方の姿を見ていたからこそ、兼添さんは職場の空気中和剤的存在になったのでしょうか。互いを思いあっているのならある意味相思相愛ですね。笑

 個人的には、お題の『足跡』の使い方に「成程〜」と膝を打っておりました。他の方のお話でも物理的な足跡が多かったので、刑事ドラマ的な使われ方も面白いですね🕵🕶🔎

返信

御無沙汰で御座います。二日時間を見付けて、チマチマ積み重ねての脱稿であります。
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『丸い背中』

 これは僕、好堀健康(よしほり・たけやす)が直接体験した話では無い、又聞きながら、あまり気持ちの良い話では無いなと感じた奴である。

 異動で兼添智務(かねそえ・さとむ)と言う独特な雰囲気の男が来たのだが、若手やおばちゃん達が何故か彼が居ると伸び伸びと仕事がし易いと喜んでいたらしいのだが、彼も又転勤族、時期が来れば何処かの視点への赴任が定めなので、その時が来た際の部署の落胆は酷かったと言う。それに困った部署の責任者も、程無く異動して行ったと言う。

 降任の秋沼凪代(あきぬま・なぎよ)って人が、人事異動で来たって話で、良く言う仕事は出来てもマイペースや自分に合わせない奴は許さないタイプで、僕も隣県でおばさんや御姉さん連中で男一人って中で正にマイペースで、上司にも周りにも怒られまくった毎日だったから、「ああ、空気が悪くなるな」なんて思った訳だ。僕の場合は、2年間そんな事が有って、異動届けを出さない内に今の支店への異動が決まって、精神的に楽になったのだけど。
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「やる気有んのかやる気!」

 秋沼が苛立ちを隠さないにも関わらず、周囲の空気は「えっ、何?」状態である。

「録音でもしたら良いだろ。出る所出ようや。やれるモンならな。あんた等、俺が女だからって油断して舐めてんだろ。部署の責任者なんだからな。異動した何チャラって奴より上の立場なんだぞ!」

「あっ、スイマセンでした………」

 大人しい感じの男女が頭を下げて、苦虫を噛み潰した様な表情で、諫(いさ)めようとした係長に向き直り、無言で頭を下げて、さっさと帰り支度をし始める。

「一応はあの人が長(おさ)だからさ、反抗的な態度は不味いわよ」

 眼鏡を掛けた、若く見えるパートさんが、謝った彼等に困った顔をしながら助言する。
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 数日後………シフト上、秋沼の休みの日で、比較的空気の穏やかな部署で、雷を落とされていた一人の女性社員が、パソコンで作業する男性を見て驚く。

「えっ、兼添さん?」

 同じく秋沼に噛み付かれていた男性社員も、「兼添さんだ!」とシャキっとした姿勢ながらも、彼の特徴である丸く大きい背中を見て、不思議な安心感を覚える。

 だが何故か一切、彼は目も合わせず、休憩を取る様子も無いまま、終業後は忽然(こつぜん)と姿を消していた。

 秋沼のシフト上の休みと、秋沼に激怒された男性社員と女性社員の出勤日にばかり、目も合わせず一日中パソコンに向かい合う兼添らしき丸い背中が現れており、秋沼の耳にも間を置かず、その噂が届いた。
***************
「彼の乗る軽自動車が、東ドイツのトラバントに似た、シンプルな格好だったけど、あれは名前の由来は惑星だったか」

「おいっ!!トラバントは衛星って意味だよ!油売るな!」

 談笑中だった部署に水を差す、本来なら居るべきで無い、秋沼が私服で立っている。

「秋沼君、忘れ物でもしたのかね」

 水を差す声が大きかったか、巣土(すど)係長が立っている。

「コイツ等、いつ迄も兼添だ兼添だって、しまいには本人が現れたって………」

「それで、本当に現れるとでも踏んで、わざわざ休みなのに出て来たのかね」

「ええ、そうですよ」

 ふふんと、上の者にも動じずに強めの口調で答える秋沼。

「そうか………それはそうと、そっちに御客様が来てるんだ」

「は?うち休日なのに?」

「パソコンの情報に関しての話を聞きたいとね」

「!」

 明らかに秋沼の顔色が変わり、その視線の先には、パソコン自体は使うだろうが、エンジニアとは異なる目付きの背広の男達が居た………

「秋沼さん、任意で御話を御聞きしたく」
 
 無関心を装いながら、部署の面々の視線は明らかに背広の男達の胸元から見せる、財布よりも大きな物体にそそがれる………警察手帳だ。

「………分かりました」

 部署では異動する前の挨拶と、赴任時にした際の挨拶に次ぐ、秋沼の三度目の敬語………言わば化けの皮を自ら剥いでからのですます口調が低く響く。
****************
 秋沼の異動の挨拶も無く、急に部署の責任者が変わり、降任が兼添に似た感じの男で、変な空気の中で、新体制がスタートするも、雰囲気自体は軽くなった。

 風の噂では、どうにもならないと判断した秋沼が、兼添の空気人形を作ろうとして、3Dプリンターを使おうと彼の身体的特徴を採ろうとして、個人データにアクセスしようとした形跡………言わば足跡を辿られての個人情報への違法アクセスが発覚したかで、任意聴取を求められたとの事らしい。
秋沼と兼添がかつて一緒に仕事をしたなんて話も聞いたけど、あの丸い背中で現れたり消えたりした彼は、「異動しても部署の皆を見守っているよ」と言うメッセージなのか若しくは「彼等にかつての自分の様な目に遭わせないで」の仕返しと言うより警告の生き霊だったのかな………なんて思えてならないのだ。兼添って人の空気人形の噂も、彼の姿を見せる事で、どうにか和ませようとする秋沼の空回りした心遣いだったのではと、今になればそんな風に感じられる。

 ちなみに、兼添智務は、居心地が良いと話していた土地に近い場所で働いているとの話で、僕は何故か胸を撫で下ろす。
**************
怪談と言うより、いつもの(?)不思議な話になってしまいました(汗)。

返信

 お題とは関係ないお話で、先に本投稿用の長編を書いていたのですが、中々難産しております(いつもそうですが)。
 題名に“冬”が入っているので、せめて春になる前に投稿したいものですが、実はまだ半分も書けていないんですよね…… /(_-_)l
 本当は2月のアワード発表後くらいにアップしたかったのですが、主人公を虐め倒したいと丁寧に文字を重ね続けてしまっております。思い通りにいかないものですね😥

 そんなこんなで今月は片手間の低クオリティ作品ですが、我ながらツッコミ所が多くて多くて……
 やはりこの掲示板は、主催者が一番のヘナチョコ葉っぱですね🌱💦

返信

『宇宙飛行士に両足はいらない』

 20XX年、人類史上初の火星上陸を果たしたのは、両足の無い宇宙飛行士だった。

 宇宙船で一度に乗せる重量は、出来る軽い方がいい。
 両足が無い宇宙飛行士ならば、健常者の20%も軽い状態で宇宙船を飛ばすことが出来、船室の小型化により、空調管理も楽になる。

 人類史上初めて火星に降り立ったその男は、足の不自由を不利に思わせない程、非常に高いIQを有していた。

 彼は惑星探査を終え、地球へと帰還すると、全人類へとメッセージを発信した。

「かつて、アポロ11号が人類で初めて月面へ降り立った時、アームストロング船長は『これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である』と言いました。
 対して足の無い私は、あの惑星に自分に足跡を残す事が出来ませんでした。しかし間違いなく私は、人類史に大きな足跡を残して来たのです」

 彼のメッセージは、全人類に多大なる勇気を与えた。

 そして、メディアが彼を取り沙汰する内、その高いIQの理由が明らかになった。

 なんと、両足の無い彼は、一般的な人間より体積が少ない分、より多くの血液が脳へと巡っているのだという。

 成人の心臓の大きさは、身体の大きさに影響されず一定である。つまり、健常者と同じ心臓の大きさ・同じ肺の大きさであるのなら、脳への血液の酸素供給量は通常の123%〜150%なのである。

 この事実を知った人類は、なんと、我が子を宇宙飛行士へと育てる為、自分の子どもの足を、親が切り捨てていったのである。

 能力さえ有れば、宇宙飛行士に両足は要らない。両足が無くなれば、能力が手に入る。ならば、両足の切断が最効率だ。

 高IQ人類の活躍を讃える新聞を捲る、老齢の男性に対して、両足の無い宇宙飛行士は、顔色を伺うように言う。

「今では私も、すっかり一般化してしまいましたね。
……父さん」

 老齢の男は、両足の無い息子を一瞥もせずに呟く。

「そうか、なら次は片腕だ」

 息子は、黙って小さく頷いた。
(799文字)

返信

@ふたば さま

温かいコメントありがとうございます。初挑戦でした。
制限考えずに書いたところ1800文字弱。そっから1000文字削って行く作業。筋立てや雰囲気を残しつつ文字を削るのは良い練習になりました。

楽しんでいただけれは光栄です

返信

@かがり いずみ さん、新規様のご参加ありがとう御座います( ꜆ᵒ̴̶̷̥́ㅿᵒ̴̶̷̣̥̀ )꜆‪🌱‬

夕凪が過ぎ、頬を撫でる夜風の音が聞こえるような、静かで綺麗な読後感のお話ですね✨
星が好きだけれど別に詳しく無い私は「たいはく」という言葉を知らなかったのですが、金星の事なのですね。火星よりも金星の方が好きなのに自分の無知が恥ずかしい……
調べてみれば、古代中国では明けの明星と宵の明星はそれぞれ違う名前で呼ばれており、太白は宵の明星を指す言葉だとの事。夕陽を追うように水平線の向こうへ沈む星に願うは、自身も水平線へ連れて行って欲しいというものだったのか、或いは水平線の向こう(冥界)の誰かとの再会であるかは分かりません。途切れた足跡の謎も、きっと分からないままなのでしょう。
放り出された謎を夜闇の影にそっと紛らわす終わり方が、最高に短編らしくてふたばは大変満足です(꒪¯꒳​¯꒪)‪🌃🌙*゚

返信

@天虚空蔵 さん、今月もご参加有難う御座います💪🏻( ¨̮ 💪🏻)
4月分もコメントより先に概要欄をちょろちょろっと編集しておくので、どんなお題が来るかスタンバイして下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )

「この後念願の妊娠が発覚したんだよね」となれば、良い話にもなりそうですね(*´˘`*)💕
目の前の雪が積もらない足元の所には、空中に積もった雪が浮かんでいるのでしょうか。なんだか野ざらしにされているみたいで、ついつい傘をさしてしまいそうです。しかし、そう言ってこの霊が悪霊だった場合ホイホイ近付いた相手をひと呑みなんでょうね‎ 𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ

返信

@かがり いずみ 様
たいはく=太白 すなはち、金星なのですね。^^;
またまた、お勉強してしまいました。
宵の明星に思いを託したのですね。
なんとも切なく、でも、とても怖いお話です。
字数制限きついですが、トライする価値はありますよね。
ここから膨らむストーリーも多く、この企画イベントは、欠かせないものとなっています。

返信

@かがり いずみ様
怖面白かったです。
「たいはく」は五星のひとつ、金星だと解釈しましたが、合ってますか?

返信