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短編1
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鮮やかな記憶

最近、夢をみる。

陽射しの強い砂浜で、動けずに唯々焼かれる様な暑さに耐え続け、夜の綺麗な星空だけを希望に生きている夢。

日が昇り、落ちていくのを3回繰り返した所で目が覚める。

そんな夢をもう20回程続けて見ている。

夢から覚めた私に、ベッドの傍らに佇だ女性が話し掛ける。

「おはよう。また、いい夢を見れたみたいだね。」

「そうでもないよ。」私は無愛想にそう答え、起き上がる。

コンクリートの様な壁に囲まれた部屋。

床と天井には無数の小さな穴が有り、そこから幾多の目が私と名も知らぬもう一人の人間を見ている。

窓は1つだけ、動物の餌のような食事が運ばれてくる小さな小さな物だ。

もう何度ここで目を覚ましたか解らない。

最初は現状を理解できず、暴れたが、少し落ち着きを取り戻した頃、唐突に理解した。

私は見せ物なのだ。このまま、飼育されていくのだろうと。

そう自分で結論を出した時から、あの夢を見るようになった。

色鮮やかな。まるで昔本当に見たかの様な、少し懐かしい夢。

私は、ただそれだけを希望に今日も眠りにつく時間を待っている。

夢から目覚めないように祈りながら。

怖い話投稿:ホラーテラー 星さん  

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