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短編2
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『通訳』

5年前の実話です。

誤字、脱字等ありましたらすみません。

母方の親戚に変わったおばさんがいます。

どこにでもいる、うるさいおばさんで、おばさんとは5年に一度くらい法事でお会いする程度なのですが…

どこが変わっているかというと、『通訳』をしてしまうんです。

その時も母の母(僕のばあちゃん)の法事の後、そのままみんなでお墓参りをしていると、今まででかい声で

「サボもでっかくなったねぇ、オムツおばちゃんが替えてやったもんだよ」

と、くっだらない事言っていたそのおばさんが、墓石の前に着くなり泣き崩れるんです。

何事だとみんなが近寄ると

「M(僕の母)が家の中で苦労している…」

と連呼…

当時、僕や姉は青い春、反抗期真っ只中で家にもあまり帰っておらず、母を毎日泣かし、親父は親父で女遊びが激しく、家にいない状態でした。

確かに母が一番病んでいる時期でしたが、そんな事は家族しか知らないことでした。

それを聞いた僕、姉、親父は真っ青。

母方の親戚にはみんなに白い目で見られる始末…苦笑

一通り泣くとおばさんはケロッとして

「なになに!?みんなどうしたの!?笑」

と自分が泣き崩れてた事など全く覚えていないようでした。しかしおばさんの旦那さんが『よくある事』だと言っていました。

それ以来、僕や姉は更正して、人並みの生活を送り、母の日には花束やプレゼントを買ったり親孝行に励むようになりました。親父は女遊びを控え、家に帰るようになり、円満な家庭が戻ってきました。

今年もまた法事の年です。

僕達家族はまたおばさんが泣き崩れる事を期待せずにはいられません…

「M、幸せにやってるようだね。」

と嬉し涙で。

ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー サボさん  

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