僕の生まれ育った町には、大きな墓地が2つある。
ちょうど町の東西に位置しているので、「東墓地」「西墓地」とそれぞれ呼ばれている。
今回は西墓地に纏わる話をしたいと思う。
西墓地は山の斜面に面していて、恐らく4、5百の墓石が立ち並ぶ。
墓地の最下部(山の麓)には、水汲み場と御堂がある。
その御堂には6体の地蔵が安置されている。
幼い頃、祖父に
「あのお地蔵さんは笠地蔵か?」
と問うた事があった。
祖父の答は、
「あの地蔵は夫婦地蔵と呼ばれているんだよ」
と教えられた。
詳細はこうだ。
町の家に不幸があって女性が亡くなった場合、次に男性が亡くなる。
そしてまた女性が亡くなり、男性が亡くなる。
それを3回(6人)繰り返す。
それじゃあいかんと言う事で、町の皆で地蔵を祀ったらしい。
しかしあまり効果は無く、平成のこの時代でも女、男、女、男、女、男の死の連鎖は続いている。
怖い話投稿:ホラーテラー 紅天狗さん
作者怖話