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短編2
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ストーカーと私

私は色んな意味でツイてない。

貧乏だし、ルックスだって普通だし……

まぁ、たまには良い事もあるけど、少な過ぎ……

そんな微妙な毎日に、点数を付けようかなと思う。

今日は……

数日前から誰かに、尾けられてる気がする。

初めは気のせいだと思ってた。

こんな私をストーキングするメリットがない……

けど、危険な目に合うようになってリアルに怖い。

出勤時、電車を待っていると、後ろから突き飛ばされた。

線路に落ちるギリギリの所で誰かが襟を引っ張ってくれて助かった。

一瞬だけど、死んだかと思った。

昼食時、お弁当を食べようとしたら、急にお腹が痛くなって食べる気がなくなった。

仲のいい同僚にあげた。

同僚は口から泡を吹き病院に運ばれた。

同僚には悪いけど、お腹が痛くなって良かった。

帰宅時、車に轢かれそうになった。

チラッと見えた運転手は嫌らしく笑ってた。

普通に怖い。

どんどん危険がエスカレートしていくが、必ず助かる。

本当はツイてる?

遂にストーカーが直接、私の前に現れた。

包丁を持って走ってくる。私は怖くて叫んだ。

「キャー!!」

私の前で立ち止まる。

そして、ストーカーが呆れながら言った。

「お前じゃねぇよ。勘違いしてんなよ」

は? 周りには私しか居ない。

何言ってんの、この人?

混乱する私にストーカーは答えをくれた。

「お前の守護霊に惚れてんだよ。お前がヤバくなればハッキリと見えるからやってんだよ。勘違い女」

カチンときた。

どんな理由だよ。

こんな馬鹿の為に危ない目に合っていた事に、キレそうになった。

「あーあ、行っちまった」

ストーカーの言葉を聞いた瞬間、何かが体から離れていくような気がした。

不思議な寂しさが広がっていく。

ストーカーは何も言わず何処かに行った。

はぁ、疲れた。

結局、守護霊のせいで危険な目に合って、守護霊が助けてくれた……のかな?

家に帰り自分の分と、もう一つ発泡酒の蓋を開けた。

今日の私……

プラマイゼロの守護霊だけど、居なくなって寂しいから……15点

怖い話投稿:ホラーテラー 月凪さん  

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