「もういいよ!」
あたしはその日、彼氏の優太と喧嘩した。
きっかけはとても些細なこと、あたしが悪い。
優太ん家からの帰り道、どう謝ろうか悩んでいた。
優太は優しすぎる。
そんな優太にあたしはイライラする。
自分を押し殺してるようでいやなのだ。
「奈緒ーーー!!」
遠くから息を切らしながら優太がきた。
「優太…あのね、ごめ…」
「別れてほしいんだ」
突然そんなこといった優太にあたしは唖然とした。
「待ってよ、あたしが悪かったからそんなこと言わないで!!」
だけど優太は首を振り、行ってしまった。
突然のことにあたしは立ち尽くすことしかできなかった。
なんで…。
あたしはその日、大泣きした。
学校(高校)にも行きたくなくて部屋にこもっていた。
顔なんてあわせられないし…。
また寝ようかとベッドに入ろうとしたら携帯が鳴った。
親友からだった。
「奈緒、大変!優太が昨日事故にあって…」
そこから先は聞こえなかった。
いや、聞きたくなかった。
昨日、私と別れたその後に車にひかれたという。
車からいうにはいきなり飛び出したらしい。
まだ別れた理由聞いてないよ。
あたしはまた泣いた。
しばらくたち、あたしはフラフラと外にでた。
あたしにとってはすべてだった…。
後悔ばっかり押し寄せる。
パッパー。
クラクションが鳴った。
もう、いいよね。
あたしは目をとじた。
目を開くと真っ暗なところにいた。
死んだのかな。
「奈緒」
懐かしい声が聞こえて振り向くと優太がいた。
傍に行きたいのに動かなかった。
「優太!どうして別れるなんて言ったのよ!」
「…………」
優太は何か言いたそうだか声をだすのが辛そうだった。
(本当は途切れ途切れです)
「奈緒、俺は奈緒が好きだ、別れたくなかった」
「優太!」
「でも、俺には霊がついてるんだ…、このままじゃお前が危険だった」
優太はにっこり微笑み。
「お前は生きろ」
「待ってよ、嫌だよ、あたしはどうすれば…」
「俺の部屋の引き出し開けて」
そういい、消えてしまった。
目を開けると病院だった。
親や友達が心配そうに見ている。
あたしの怪我は奇跡的に軽かった。
退院して優太の家にお邪魔し、引き出しを開けさせてもらった。
私は涙が止まらなかった。
指輪だった。
生きて行こう。
優太のためにも。
怖い話投稿:ホラーテラー 奈緒さん
作者怖話