これは私が高校生の時のお話で、2年の夏休みに宮城県の従兄の所へ遊びに行った時の体験です。
その日は年長の従兄が、
『今夜はみんなで心霊スポットとか夜に行くと怖そうな所に行ってみないか?』
って提案をして、
『それ結構面白そうだね』って、
みんな探検隊気取りで遊んでいた子供の頃みたいな乗りで夜のドライブに出掛けました。
私達は最初に廃虚になったホテルの跡地に向かいました。
そこは宮城県北部の山中にあって、周りには全く灯りがなく本当に寂しそうな場所でした。
私達が建物の前まで行ってその廃虚を見上げると…
廃虚の黒いシルエットが月の光に照らされて、輪郭だけが青白くぼんやりと夜の闇に浮かび上がって、とても不気味な雰囲気を醸し出していました。
みんなその雰囲気にゾッとさせられて、好奇心を煽りたてられました。
年長のいとこが、ここがまだ営業中だった頃、火事が起こって誰かが亡くなったらしい、床に敷いてある赤い絨毯が黒く焦げついている所があって、そこがどうやら怪しい場所らしいんだよ、って言うから、
みんなまさかね?
って話をしながら中に入っていったんだけど…
ホントに1ヶ所怪しい場所をみつけちゃったんだ。
その場所はホテルの入り口から建物の真ん中あたりにある柱の根元付近で、黒いすすの跡が天井まで続いていたんだ。
これはただの噂で、本当にあるとは思ってなかったから、みんな声がでなくなってしまって、そして短い沈黙の後に、
『ここヤバいよ…早く戻ろう』
って5人の内の一人が口にした瞬間すぐさまみんな車の方へ走って戻りました。 車までそんなに離れてもいないのにみんな変な汗をかいて、『アレってなんかヤバくなかった暗くてよく見えなかったけど確かに焦げ跡だったよね…』
みんな気味悪がって一人は、どうしてこんな所に来ようって話になったんだ…、
みたいになって全くしゃべらなくなってしまって、それからは誰も口を開かないまま無言で次の場所へと車を走らせました。
次の場所は幽霊が出るって有名なトンネルで、そこには旧道のトンネルと新しいトンネルとが並んでいて、旧道の方のトンネルがかなりヤバいらしいって事でその場所へ向かいました。
怖い話投稿:ホラーテラー やんやんさん
作者怖話