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短編2
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妻の願い

半年前妻が死んだ。

突然の出来ごとだった。妻の歩いているところに飲酒運転の車が突っ込んだのだ。

私は絶望した。これが全て夢であったならどんなに良かっただろう、私は何もする気が起きなくなり、人付き合いも苦手になった…

また妻のように大切な人がいなくなるのが怖かったのだ。

ある事を妻が亡くなった後いつも考えていた。

このまま生きていても何になる。

いっその事死んでしまった方が楽なんじゃないか?と。

そしてその考えを実行に移した

私は自殺のため睡眠薬を大量に飲んだ。

頭の中には走馬灯のように妻の事が流れた。私の人生は彼女によって成り立っていたのだと改めて気付かされた。

その後意識は暗い闇の底へ落ちていった…

次に意識が戻った時

花畑が広がっている場所にいた

もしかしたらここが天国と言う所なのかもしれない。

私は花畑の隅にあるベンチに腰掛けた。

ふと、横を見ると妻が腰掛けていた。

私は驚愕し、目の前の光景が信じられなかったが、辛うじて妻の名前が喉から漏れた。

そんな私を見て妻は優しくほほ笑んでくれた。

その瞬間私の瞳からは大粒の涙が流れ出た。今までの記憶があふれ出て自分でも何がなんだか分からないくらい泣き続けた。

妻はそっと抱き抱えてくれた

その温もりは生きていた頃と何も変わってはいなかった。

そしてある程度私が落ち着いてから話し始めた。

「辛かったね。大変だったね。私もあなたと一緒に生きていたかった、子供もつくって幸せな家庭をつくっていきたかった、でも私は死んでしまったの、それはどうしようもない事なのよ。だからあなたには私より幸せになって欲しいの、私の変わりに生きていて欲しいの、私はこの世界が好き、あなたが生きているこの世界が好きなの、だからお願い、生きて。」

その瞬間私は悟った

自分だけが悲しんでいたわけではないと、彼女のほうが何倍も何倍も悲しんでいたとゆう事を…

「まだ間に合うわ、私はあなたの事忘れない。愛してるわ」

その瞬間私の意識は途絶えた

次に起きた時は病院のベットの中だった。

奇跡的に一命を取り留めたそうだ。

その瞬間また涙がこぼれ落ちた

妻が助けてくれたと直感的に分かった。

その時、生きなければならない…そう思った。

色々な物を見て色々な事をしてみよう。私は彼女が愛したこの世界をもう少し感じていきたかった。

怖い話投稿:ホラーテラー YUKIさん  

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