短編2
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ガソリンスタンド

俺のツレにガソリンスタンドでバイトしてたことあるやつがいる

そいつ曰く

『更衣室に幽霊がいた』

俺は全く信じなかった

人が死んでる訳でもなく、古くからあるわけでもない

そこに幽霊がいる理由が見当たらない

そんな感じで茶化してたらそいつが「見に行けばわかる」って言い出した

そのガソリンスタンドは潰れていて中に入れるとの事だった

車で一時間ほど走ってガソリンスタンドについた。はっきり言って田舎だ。まだ夜の8時なのに全く車が通らない

そりゃ潰れるわ…

そいつに案内されて店内に入る。狭いからあっという間に更衣室に到着

「そこ」

中に入ると懐中電灯で照らしながらそいつが指差す

その視線の先に…いた

L字に並べたロッカーの隙間

おっさんが血走った眼で瞬き一つせずにこちらを見ている

「なっ?いるだろ?」

鮮明に俺の目にも見えている

それはもうはっきりと…はっきり見えすぎじゃないか?

どっちかというと浮浪者がそこにいるようにしか見えないんだが…

「そう言われてもなぁ…潰れる前からいるし、触れないんだぜ?」

幽霊だろうが浮浪者だろうが触る気は無い

「なんにもしないんだぜ。でも気持ち悪いんだよなぁ」

心なしかおっさんの表情が悲しそうに見えた

「3日も仕事したら慣れるけどな」

俺なら初日に逃げ出すよ

「あっそういや面白いこと思い出した。お前ちょっとそっち行って」

俺は左側に行く。そいつは右側へ

するとおっさんは俺達をキョロキョロと交互に見ている

「うけるっしょ?w」

なんかすげぇ不気味だよ…

「一番怖いのはここが男子更衣室だってことだなw」

しばらくおっさんを観察したが、なにも起こらないし帰ることにした

結局おっさんはあそこでなにをしているのか…

ちなみにかなり恐かった

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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