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中編5
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学校裏

ガキの頃の話。

あんま怖くないと思う。

俺の小学校は田舎にある一番小さい小学校。

でも火葬場潰して建てた校舎は中々綺麗だった。

コンクリートの3階建てで真後ろはすぐ山だったから山側は太陽の光は絶対当たらないじめっとした場所だったんだ。

児童数も少なくて、一クラス大体7〜8人。

少ない学年はわずか3人程度しかいなかった。

火葬場潰したからかもしれないけど結構怪現象があって、3階の音楽室にあるメトロノームが一人でに動いてたり、図書室の隅には誰かいるってもっぱらの噂だったし、図工室から女の笑い声が聞こえたりと。

3階付近の怪現象が一番多く噂になってた。

こっからはリアル体験なんだけど。

その3階の山側の窓から小さな神社が見える。

小学校の坂道を真っすぐ行くと山の方に脇道があってそこを行くと行けるんだけど、田舎だからもちろん無人神社。

お祭りなんかに使う神社でもなければ拝みに行くような場所でも決してなかった。

その神社の真横に三本ずつ全部で九本、正方形上に杉の木が植えてあるんだけど、それがまた奇妙な事に高さが全く一緒なんだよ。

あの縄に紙垂れがついてるって感じで何があるのかはさっぱり解んなかった。

俺が五年の時、友達四人とその神社の話になった。

何があるんだろうと興味津々な俺達はとりあえず放課後行こうって話になった。

俺オカルト嫌いだったしましてや怪現象が多いこの辺をむやみに刺激したくないと内心思ったけど後には退けなかった。

メンバーは俺、S、H、Y、A。

夏だったし陽が暮れるの遅いから明るい内に行くぞってなって赴いてみた。

まだ明るいと行ってもそこは異常に暗く、夏だと言うのに肌寒かった。

近くで見ると迫力ある神社だった。

そこであろうことかこっくりさんをやってみようと言い出したS。

Sは肝が据わってる女だったんだけど、ここまで度胸があるとはさすがにびっくりした。

俺本気で嫌でもちろん全力で拒否。

話し合いの結果SとYとHがやることになった。

俺とAは見張り役。

中に進む三人と鳥居付近で待つ俺とA。

多分4時半くらいだったかな。

突然Sが叫んだ。

『二人とも!しゃがんで!絶対立ち上がっちゃだめ!』

俺とAはびくっとしてすかさず座り込んだ。

何事かと思いつつ心臓がばくばくした。

『あたしがいいって言うまでこっちも見ちゃだめ!』

あんときのSの怒鳴り声は今でも覚えてる。

そこから結構座ってた。

足もしびれてきて辺りも暗いしAと帰りたいって連呼してた。

すると三人が戻ってきた。

『何だったんだ?』

『…』

俺の問い掛けに無言の三人。

『来てみ』

Sに連れてかれ、俺とAは神社横にあるあの九本の樹の前まで行かされた。

俺とAは絶句した。

九本あるはずの樹は八本になっていた。

すぱっと一本だけ樹が綺麗に切られていたのだ。

『私がしゃがめって言ったのはこういうこと』

Sが指を指した方向、つまり切られた樹から真っすぐの場所にさっきまで俺達がしゃがんでた場所があった。

しゃがめと言われてなかったら首が吹っ飛んでたらしい。

更にぞっとしたのは切られた樹のすぐ側にサビついた斧が刺さっていたことだった。

俺とAは入口の鳥居のところにいたし無論誰も来てはいない。

むしろそんな短時間で一本の樹を切れるわけがない。

俺は怖かった。

極め尽けはこっくりさんを行った三人は同時に同じ霊を見ていた。

包帯でぐるぐる巻になっていた男を見たと口を揃えて言い出したのだ。

『もっもう帰ろうぜ』

辺りも暗いし一刻も早くこの場所を立ち去りたかった。

でもその時だった。

『カエサン…カエサン…』

帰さん…?

俺達五人はサーッと血の気が引いた。

確かに男の声で聞こえる。

『うわあああ!!』

Aが走り出す。

と同時に俺達も必死で走り出した。

怖いとしか言いようがなかった。

とりあえず一番近いSの家に駆け込んだ。

家にいた婆ちゃんにこの事を話すと婆ちゃんは血相変えてSを叩いた。

『馬鹿たれが!!あそこは怨念を鎮めるために建てたもんなんだ!!』

俺達とんでもないことしたんだ。

遊び半分で行った行為が大変な事になってしまった。

『ごめんなさい…』

Sも半泣きで謝る。

『こっくりさんをやったのは誰だ?』

Sは自分とHとYを指差す。

婆ちゃんはちょっと待ってろと言うと何だか古ぼけた小袋を三つ仏壇から取り出した。

『あんたらはこれ持って今日はうちに泊まりんさい』

SとHとYは頷くと家の中へ入っていった。

『あんたら三人は大丈夫だ、はよ帰り』

婆ちゃんはそう言うと玄関の扉をぴしゃりと閉める。

俺は婆ちゃんの発言に背筋が凍った。

さ…三人?

Aと顔を見合わせて後ろは見ないように全力で走った。

怖かった。

何だかわかんないけど悪寒が凄かった。

頭真っ白でどうやって帰ったか覚えてないけど、その日兄ちゃんにしがみついて寝た。

次の日S達は学校に来なかった。

俺とAは帰りにSの所へ行ってみる。

しかし留守だった。

後から聞いた話、あのあと3日経ってHとYは学校へ来た。

しかしSだけは来なかった。

『Sはどうした?』と聞くとHは『知らん方がいい、言うな言われたから』

と濁して教えてはくれなかった。

結局Sはその日以来学校に来ていない。

Sの家も引っ越したらしいが最後まで何があったかは聞けなかった。

一つだけ解ったのは婆ちゃんが三人に渡した小袋の中身が人の骨だったってこと。

それも黒く焼けたような感じだったって。

三人が共通して見た包帯ぐるぐる巻にした男は焼けただれた兵士だったらしい。

小袋に入ってたのはその兵士の骨らしいんだけど、婆ちゃんが何でそれを持っていたかも謎。

オチがなくて申し訳ないがちなみにその小学校、怪現象のせいで近年廃校になったらしいです。

もう二度と近づきたくない場所。

怖い話投稿:ホラーテラー TEQUILA!さん  

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