私が中学1年生の時の話です。
ある朝隣の席の子が、手の甲に湿布を貼って来た。
どうしたのか聞いてみると、朝起きたら青あざになっていたという。
2日後、湿布は絆創膏に変わっていた。しかも手の平にも絆創膏を貼っていた。気になったが、彼女が元気なさそうだったのでそっとしておいた。
帰りに遊びに来ないかと誘われたが、その日は断り、明日遊びに行くと言って、私は急いで教室を出てしまった。
次の日、彼女は学校を休んでしまい、私は宿題のプリントを持って見舞いに行く事にした。
家に着くと、お姉さんが出て来た。
家の人が居るなら、帰ろうと思ったが、お姉さんが
「あのコね、別に風邪とかじゃないから、良かったら上がっていって!」
え、じゃあどうしたんですか?と聞くと
「なんか‥手足が腫れて痛いとか言って、湿布貼ってたみたい。多分たいしたことないと思うけど」
部屋へ行ってみると、彼女は二段ベッドの下段に横になっていた。
怪我の事を聞くと
「言わなかったけど…足のも同じようになってて…なんか、朝みたら血が滲んでて‥」
アザって事はぶつけたんだと思っていたが、血が滲むって…
気になって絆創膏をはがして手足を見せてもらった。
青黒くなった場所の中心あたりにキズが出来ていた。
それにしても…この部屋はこんなに薄暗かったかな。しかも寒い。まだ9月なのに?
その時二段ベッドの上の段で何かが動く気配がして見上げる。
三角の帽子が見える
ピエロの人形だった。
「ね、ピエロの人形…って〇〇〇ちゃんの?前からあったかな」
聞いた時から耳鳴りが始まった。
「ピエロ?ああ…何か家に有ったから、貼ってみたの」
ピエロの帽子のてっぺんと片手片足が‥
ピンで壁に止められていた。
彼女の腫れた手足と同じ場所が‥ピンで止まっていたのだ。
耳鳴りが酷くなり、部屋を急いで出た。
帰り際お姉さんに
「あの…ピエロの人形なんですけど、ピンで止めるより座らせてあげて下さい」と、唐突に不信な事を言ってしまった。
次の日彼女は学校に来た。手の甲は嘘の様に元に戻っていた。
私は慌てて帰ってしまった経緯を話た。
すると彼女は
「あのピエロ…いつの間にか玄関にあって…聞いたら皆なんであるのか知らないって…」
その後ピエロはどうしたのか?
私は以来人形が怖くて部屋に飾れない。
怖い話投稿:ホラーテラー メイジさん
作者怖話