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中編5
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ダムでの出来事

最近このサイトを見つけ、UMA系の類は否定派の俺だが、おもしろおかしく閲覧してるうちに、ふと11年前のことを思い出した。ノンフィクションなんではっきりいって大したオチもないしツマラン。文体も稚拙なので了承してくれ。

高校3年の頃、友人ABCとよく遊んでいた。

ちょうど今くらいの時期6月中旬か下旬くらいに、Aが普通免許を取得し、クラウンの中古を買ったからとかいう理由で、よくある流れで心霊写真的なのを撮りに行こうという運びになった。

当時、いわゆる不良という括りで明け方まで遊ぶっていうのは日常茶飯事だった。俺、AとBとCで行く予定だったが、Cが用事だったか眠いとかそんな理由で辞退したので、仕方なく当時2コ年下の後輩(パシリ)を呼ぶことに。当時は携帯よりポケベルが主流だったので内容を伝えると早速「行かせていただきまス」といった返信が。

俺、A、B、パシリ(以下D)のメンバーで行くことに。

途中使い捨てカメラとビールを購入し、2時間ほどで行ける「○ノ倉ダム」へ向かった。当時、地元の友人だとホラースポットとしてはあまり知られておらず、「夜はなんかやばいらしいよ」程度の場所。ビール飲みながら観光気分で向かった。

山を登りトンネルを潜ると東京ドーム2個分くらいのダムがあり、その外を1周できる舗装路がある。昼間は家族連れや釣り人で賑わう場所だが、自殺者もいるらしく、入り口すぐ脇の橋には花束等が添えられてるのを見た事がある。夜は全く人気も無くうっそうとしてる。

そんな感じなのでボルテージも上がってきて目的地につくなりシャッターをパシャパシャ連打する。

A「ちょっと移動するか?」

B「たしか右回りからいくと地元の奴らも使ってないトンネルがあるみたいだぜ?」

俺「いいねー」

D「じゃあ俺ソロで突撃しますよwまかせてください!」

もうホント観光気分で車に乗り、丁度入り口から対角上にあるところで小さいトンネルを発見。

トンネル内部は電気もなく、あたりは真っ暗。さっきまで勇ましかったDもちょっと顔が険しくなっている。

俺「おい、ビビッてんのか?あ?」

D「そんなわけないっすよ行ってきます!」

無理矢理恐怖を覆い隠そうとしてるのがミエミエなので俺と友人に笑いが出る。カメラを渡し「行ってきます!」と元気に闇に消えていくD。

A「あいつよくいけるな。アホだろあいつ」

そりゃそうだ。トンネル内部は上から水が滴り、雨が降ってるのと同じ。幅は軽自動車でも入れないくらい狭いトンネル。誰でも怖い。

B「ホントだよな。人が死んでるトンネルよく突撃できるもんだ。」

Aと俺が顔を見合わせた。

俺「あ、そうなの?」

B「あ、知らなかった?」

なんて会話を交わしてたら、

「ギャハハハハハ」

という笑い声。一瞬ビクッとしたがDの声だ。カメラのシャッターをおろしながらゆっくり歩いて戻ってくる。脳裏に「あ、憑りつかれたな。コイツ」っていうのと「ふざけてんのか?コイツ」の2択が生まれた。

友人は後者だと思ってるようで「んだよ、テメー」「ふざけてんじゃねー殺すぞー」とか冗談交じりで話しかけた。

その瞬間、DがAに殴りかかりマウントポジションをとり両手を振り上げAを襲い始めた。そこでBがブチギレたらしく、Dの顎に渾身のミドルトーキックがヒット。

後日、Bいわく「普通なら一撃でKOなんだけどな」というようにDはふっ飛ばされ、A(両手でガートしてたのでノーダメージ)とBと俺で「テメー殺すぞ」と。今度はガチで怒鳴った。するとDはまるでダダをこねる子供のように足をバタバタさせ、なおも奇声を上げて笑ってる。ちなみにシャブの類はやってない。

さすがに異常だと気づき、暫く呆然と立ち尽くす俺達。

2分位経過しただろうか。時間感覚も良く解らなくなってた気がする。ようやく

A「おいどうする?」

俺「捨てて帰るわけにもいかんだろ。」

B「こりゃ憑りつかれたな。」

たしか意外と冷静な会話を交わしていた。するとDが突然おとなしくなり、むくっと起きだす

D「痛ぇー。何で??」

急に正気に戻る。ギャップが酷すぎて鳥肌が立ったのを覚えている。

A「おま、俺になにしたかわかってんの?

D「え、な、何がですか?」

ずぶ濡れのDがきょとんとしている。

B「とりあえず帰ろうぜ。」

確かに長居はしたくない。すぐさま車に乗り込み帰路に着く。

車の中で色々問いただしてみたが、トンネル中間地点あたりから全く記憶がないそうだ。しきりに顎を頭を痛がる。そりゃアレだけ見事にミドルがキマれば痛い。事情を説明し、しきりに謝るD。

俺「そういえばトンネルで人が死んでるって言ってよな?」

Dがエッ!?そうなの??といった様子。

B「いや、ほんと詳しくは知らん。ただきいたことがあるだけ。」Bは頼もしいんだが肝心なところが役に立たない。

まぁ今はDの気性は正常だし「憑りつかれてたんだろ」といった結論。

全員「貴重な体験をしたなw」と笑いながら帰った。

この日はこんな感じ。

後日、現像を出した写真が出来たので、確認することに。ドキドキしながら目を凝らして確認してみるも、心霊写真はなくアホ面した俺ら姿のみ。ガッカリして近所のコンビニ駐車場で結果報告にいくことに。

A「あんだけのことがあって何にも写ってねーのかよw」

B「ホントだよなwあの日は大変だったw」

Cは当日行けず、なにがあったんだ?としきりにきいてきた覚えがある。思い出したかのように

C「あ、そういえば後輩から聞いたんだけど、Dがやばいらしいぞ?」

俺「え?何が?」

てっきり顎が痛いとかその辺の類かと思っていたが、

C「なんか気がおかしくなってしまったらしい。」

俺とA、Bが凍りつく。しきりにCがその日に何があったのかを聞いてくる。一部始終を話すと、Cもそりゃやべぇなと引きつり気味にちょっと笑みを浮かべて相槌を打つ。そりゃ他人事だしな。

どうやらDは次の日から一日中笑いながら手足をバタバタさせ転げまわってるらしい。親が病院に連れて行き、検査を受けることに。脳などには特に異常が無く原因不明の自律神経疾患といった感じの診察結果。そのまま精神病棟行きになってしまったそうだ。

俺達はどうすることもなく無言になってしまった。

A「ま、まぁ親に『お祓い行ってください』なんていえねぇしな・・」

B「それで直るとも限らんし・・・」

俺「Bのミドルキックのせいじゃね?相当な勢いでヒットしてたし。」

B「う、うーんでも原因不明なんだろ?脳検査も異常ないっていうし。」

結局どうすることもできぬまま月日が流れ、地元の奴らとも10年近く会ってない。その後どうなったかもよくわからん。実際にあった話なんで全く脚色もない。冒頭で述べたように11年も前の話なので、細かい会話の部分は忘れた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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