身に危険が迫っているかもしれない。
なので投稿させて頂きたい。これが自分自身の生きた証となる事を祈って
2週間前の事だ。
蒸し暑く、夏の始まりを感じさせた日の事。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る。
このチャイムから、俺の日常は狂い始めた。
「はい…」
玄関を開けるとソコには警官が一人。
「あの、ここのアパートの一階に住んでた人なんですが…ご存知ありませんか?」
因みに俺はアパートの二階の、一番端の部屋に住んでいる。
「いや…わかりません」
昔は引っ越して来たら、近所の人に挨拶しに行くのは当然の事だろう。
しかし、最近はそういう事が無くなった。
なので、誰が何処に住んでいるなんて事は一切分からない。
俺は説明すると、警官は礼をし、去っていった。
「しまった…何があったか聞きけばよかった…」
不思議なものだ。警官も何の説明もせずにな…
しかし、何があったかは翌日知る事となった。
「吉田さ~ん!」
「ん?」
朝、仕事の出勤で車に乗ろうとした矢先、仕事仲間の佐藤に声をかけられた。
俺は介護の仕事をしており、佐藤とは同じ職場で仕事をさせてもらっている。しかも、同じアパート住みだ。
「珍しく一緒ッスね」
「…ん」
俺は無愛想な返事をし、車に乗りこむ。
今思うと、おはようの一言も言えない自分が恥ずかしい。
「ちょ…待ってくださいよ。昨日の事件…知ってますよね」
ん?昨日?
「ほら、一階のジイサン不審死の」
ああ!あれか!
「あの警官事情説明してくれないからな~コッチから聞いてやったッスよ~」
よくやった。佐藤。
「で?何だったけ?」
「70代のジイサンが死んでたらしいッス。何か頭打ち付けて死んだとか。んで、ジイサンも独り暮らしだから、通報してくれる人も居ない。2週間も仕事に来ないから、職場の方から通報があったらしいッスよ」
「把握した…てか遅刻だぞ」
俺は礼として、乗せてってやった。
夜、自宅に無事帰還。
ふと、ジイサンが亡くなった部屋を思い出した。
2週間か…相当腐敗してて臭いがヤバかったんだろうな…
なんて、しょうもない事を考えてたらジイサンの部屋前を通過。
ふと、ジイサンの部屋の窓に目をやった。
窓には、青シートがしてあり中の様子が見えなかった。
それからは、特にジイサンの事もすっかり忘れて仕事に精を出してた。
ジイサンの不審死から3日後…
夜、再び自宅に帰還。
ふと、ジイサンが死んでから3日が経ってた事を思い出した。
何気なく窓を見る。
青シートは、剥がされ中の様子が丸見えであった。
「ッ!?」
窓の右端に、顔の形をかたどったものが。
説明しにくいが、蒸気がついた窓に、目と鼻、口の形がくっきりついていた。
あまりにも気持ちが悪いものだったので、自室に急いで戻った。
待てよ…冷静に考えろ…冬場ならまだしも、夏場だぞ?蒸気が窓につくなんて…
そんな事を考えていると外では雨が降り始めた。
次の日の朝、車に向かう。
ふと、昨日の事がよぎり窓を見ると
くっきり残っていた。
いや、昨日雨が降ってたはずだ!残るはずが……
顔の模様は部屋の中であった。
ここから、おかしい出来事が頻繁に起こり始めた。
まず、何日経っても模様が消えない。
まるで、ここを通る者を見るような…また、出してと言いたいのか…
次は、夢だ。
いや、夢かは解らない。
夜中に目覚めると、見知らぬジイサンが俺の事を枕元でじっと覗いてきやがる。
お陰で不眠症に陥った。
考え過ぎだろうか?
仕事にも力が入らず、休みを取らされる始末だ。
気付けばここ数日まったく眠っていないし、飯もろくに喰ってはいない。
そして、これを書いている今も誰かの視線を感じる……
どうしたらいい?
自意識過剰か?
怖い話投稿:ホラーテラー 狂人さん
作者怖話