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短編2
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わたさない

これは霊感の強い姉から聞いた話です。

以前から、姉の旦那は酒を飲むと人格が変わる、いわゆる 酒乱 だったそうです。

また、その頃は頻繁に悪行をしていたようで、姉は、

(これは何かが憑いている)

と感じ、知り合いの霊能者に旦那の写真を見せに行きました。

するとその霊能者は、

「おいらんが憑いている」

と言ったそうです。

姉は驚きましたが、その事実を誰にも言わず、数日が過ぎました。

とある晩。

会社の飲み会で泥酔した旦那が帰ってきたそうです。

しかし、様子がおかしい。

玄関に倒れ込むなり、いきなり笑い出したそうです。

最初は

「ふふふ」

だんだんと

「あーっはっはっはっ」

と、高笑いに。

それは紛れも無く女の声だったそうです。

姉は恐怖で固まりましたが、次の言葉で我に返りました。

「絶対渡さない」

目は血走り、ぐっとこちらを睨みつける旦那。

しかし声は聞いたことも無い女の声。

姉は台所へ走り、塩と冷水を交互に旦那にかけまくったそうです。

(出ていけ!出ていけ!)

と心で念じながら。

旦那は呻きながら

「熱い…熱い…」

と終始言っていたらしいです。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

そう言って、女の霊は消えました。

あの日以来その霊とは会っていないそうです。

「熱い…熱い…」は、吉原炎上と繋がりますよね?

長々と綴ってしまい申し訳ございませんでした。

読んでいただきありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー ねこさん  

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