部活で遅くなって自転車で帰宅途中の話。
夜10時を少し回った位。
交差点で信号待ちしてるとなんか気配を感じた。
商店街から住宅地に差し掛かる位の場所で人影は見当たらない。
自分のすぐ横に、以前パン屋で今テナント募集中の空き店舗がある。
なんとなく気になり、中に視線を向けすぐ前方に視線を戻す。
アレ?今空っぽで真っ暗闇の店の中に誰か居たような…
思わず二度見すると、ショーウィンドウ隔てて数十センチの距離(いきなり目の前)におばさんが立ってた。
俺はビビって
「ハゥッ!」
て変な声が出た。
おばさん無表情で腕を前にスッと出して俺の手首を掴んだ。
ショーウィンドウの存在無視。
「ナッナナナナナナナナナナッ」
なんじゃこりゃー!って叫ぼうとした瞬間、目の前の交差点で車同士が衝突して大惨事となった。
もし信号変わってそのまま自転車漕ぎ出してたら、多分事故に巻き込まれてたと思う。
結果的に助けられたんだが、おばさんは手を離して消える瞬間にニッコリ微笑んでこう言った。
「次は離さない」
怖い話投稿:ホラーテラー ジロウさん
作者怖話