それほど恐くは無いですが……。
私の母が言っていた話です。
母は、自分の寝ている寝台が揺れている事に気付きました。
「地震ではないか……」そう思って飛び起きたらしいです。
隣を見てみると、私の弟が片手をあげてブルブルと震えていたそうです。
彼はけいれんを持っており、まさか発作かと思ったらしいです。
弟を起こそうとしてみましたが、身体に触れるとくにゃくにゃと丸まって、何事もなかったかのように寝てしまったらしいです。
すると、次は反対側に寝ていた私が、急に笑い出したそうです。しかも眠ったまま。
あまりにも不気味で、寒気の走った母は、恐怖に起こされ、一人ではいられなくなったそうで私を起こそうとしました。
でもやっぱり気持ちよさそうに眠ってしまいます。
きっと気のせいだと思ったその時、扉が開いて閉まる音がしました。
きっと廊下へとつながる扉です。
明かりのついていない部屋の扉でしたから、誰がいたかも見えません。
父が用でもあったのかもしれないと、起こしてみましたが「この通り起こされるまで寝ていた」と言うのです。
たしかに父はいるも寝ている布団の上。
この日、父の弟(私の叔父にあたる方です)が他界してまだ50日も経たない日でした。
子供が好きで、よく弟の腕をにぎってはゆらしていましたし、私をくすぐったりしていました。
母は、きっと最期のお別れを告げに来たのではないかと言います。
結局退散していきましたが、彼はその後、親戚の夢の中に何度も出現したり、お寺でお坊さんの隣に立っていたりと、若くして逝ったのでまだ伝え足りない事があったのではないか。私はそう思います。
長文失礼いたしました
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話