学校、それは子供たちにとっての学び場の一つ。
そんな学校は子供たちにとっての遊び場であり、遊び道具でもあった。
学校の遊び方については「七不思議」という一つの遊び方の取り扱い説明書がある。
これはその説明書についての話。
少年A「ん?何だこりゃ?」
一人の少年が一冊の本を手に取る。
少年B「学校の取扱説明書?」
少年A「何んだこりゃ(笑)、明日のテストの解答でも載ってんのか?」
少年B「わかんねぇ・・・。」
少年A「とりあえず、んな本置いとけ、読書感想文に書く本探しに来てんだから。」
少年A「こんなもん読書感想文に書いて提出したら、滅茶苦茶怒られるぞ(笑)」
少年B「いいじゃ~ん、買おうよ、今俺1000円持ってるし。」
少年B「・・・この本、値段書いてないけど、きっと買えるって!」
少年A「お前正気か?先生用の本だとしたら、まず俺らで買えねぇだろ、歳的に。」
少年B「じゃあ聞いてみよ?・・・ほらレジに座ってるおじさんいるじゃん。」
少年A「絶対駄目だって・・・。」
少年B「いいから!」
少年B「すみませ~ん、この本いくらですか?」
おじさん「・・・どれ、・・・こりゃあ値段がのっとらん、・・・いいよタダでもっていきな。」
少年B「本当ですか!有難う御座います!」
少年A「マジかよ・・・。」(裏でもあんじゃねぇの?)
おじさん「これ多分テストの解答かなんかだろう(笑)くれぐれも先生に見つからん様にな。」
少年B「はいっ!」
少年B「ほらっA君も!」
少年A「あっ有難う御座います。」(普通に良い人だった)
少年B「有難う御座いました~^^」
少年A「どうもでした~」
おじさん「ほいほい、また来いよ~」
翌日
少年A「よう!どうだ?あの本?」
少年B「なんか全然違う。」
少年A「何が?」
少年B「それが、解答載ってると思ったら、学校についての怖い話でさぁ・・・。」
少年A「マジで!」←怖い話好き
少年B「何だよ、座れよ・・・。」
少年A「あっごめん(汗)・・・でどんな内容の物が載ってたんだ!」
少年B「何だよ急にテンション上がり出しやがって・・・。」
少年A「そういうお前はテンションガタ落ち中だな(笑)まさか先に読んじまって夜眠れなかったとか、抜け駆けは許さんぞ!」
少年B「安心しろ、読む気にもならんかった。」
少年A「はぁ?」
少年B「いやな、家に帰ってきて早速読もうとしたんだ、・・・でもなんか表紙がオカシイんだよ。」
少年A「どう言う所が?」
少年B「それがさぁ・・・」
キーーンコーーーーンカーーンコーーン!
話そうとした瞬間遮る様に朝のホームルームを知らせるチャイムが鳴った・・・
少年A「いいや学校終わったら、お前んち行くから!」
少年B「分かった・・・。」
その後授業は順調に進み、かったるい時間が過ぎていった。
少年A「ふぅ・・・、やっとおわったぁ。」
少年B「そうだね、何でかなぁ、5時間目の先生なぜか気になる!」
少年A「あぁ新しく入ってきた先生か?」
少年A「まぁ、確かに取っ付きづらいな、あの先生(笑)」
少年B「取っ付きづらいって言うか・・・、まぁいいや、さぁ帰ろう。」
少年A「あぁそうだな、あっそういやぁお前んちよってあの本読ましてもらうぞ。」
少年B「分かった、あぁあの時話そうとしたことだけど・・・」
少年A「待て待てそういう事は本を読みながらな!」
少年B「分かった・・・。」
少年A「どうしたんだよ、今まであんなに元気だったのに・・・。」
少年B「いや、だってさぁ・・・。」
少年A「だって何なんだよ(笑)」
少年B「・・・いいや、ここでは話さない方が良いんでしょ?」
少年A「まぁそうだな!」
こんな他愛も無い会話をしながら20分ちょっと、少年Bの家に着いた・・・。
ガチャッ
少年A「お邪魔しま~す。」
少年B「そんなかしこまんなくて良いよ、どうせ誰も居ないんだし・・・。」
少年A「そんな事言うなよ・・・。」
Bの両親は共働き、兄弟も無しで俺(A)にとっては最高の環境なんだが・・・(家広いし、金持ちだし・・・)
ついでに言うと俺の親も共働きで兄弟は・・・まぁ姉が一人、大抵は部活か友達の家に遊びにいってっから、学校から帰ってきたら俺もBも家には誰も居ない状況。
少年B「そんな事よりあの本、・・・これだよ。」
少年A「おう」
少年A「ん?これの何処がオカシイいんだ?」
少年B「ハァ?気付かないの?」
少年A「ハァ?いや怖い話の本ならこんなの普通だろ(笑)」
そこには俺が言ったとうり学校の怖い話をそのまま表現したような絵が描いてあるだけ。
不気味な三階建て学校、その理科室だと思われる部屋の窓から人体模型、一見誰かが実を乗り出しているようにも見える。
そんな事を思いながら表紙を見ていると妙なことに気が付いた、その事を察した様にBが口を挟む
少年B「ね?何かオカシくない?」
少年A「まぁ確かに違和感は感じるな・・・。」
少年B「あのさ・・・」
少年A「ん?どうした?」
少年B「今気付いたんだけど・・・この表紙の学校の窓から見える人影あんじゃん・・・。」
少年A「あぁそれがどうした?」
確かに理科室から身を乗り出している人体模型以外に、窓から顔を出している人影がある。
少年B「まだ気付かない?」
少年A「だからなんだよ!早く言えよ!」
少年B「・・・ごめん、これさぁ今日入ってきた先生に似てない?」
少年A「嘘!?もう一回見せてみろ!」
少年B「ね?見えるでしょ?」
少年A「あぁ・・・確かに・・・。」
少年A,B
「・・・・・・。」
少年A「いやいやいや、これは・・・ないってぇ・・・。」
少年B「え!?嘘~見えるって!」
少年A「えぇ~無いって、・・・これは無い・・・あれだ!プラシーボ効果?だっけ??あれだよきっと!」
少年B「えぇ~・・・そうかなぁ。」
少年A「てか何?こんなんで怖いの(笑)」
少年B「そんな訳あるかっ!?(怒)」
少年A「うわっ怒んなよ!(笑)・・・じゃあ何?」
少年B「それがさぁ・・・俺らがこれ買った時、”学校の取扱説明書”って書いてあったじゃん・・・。」
少年A「うん。」
少年B「何でさぁ、”これ”がテストの回答だと思った?」
少年A「いや、そりゃあ・・・、本の名前のせいって、何でだろう??」
確かにBはおかしな事でありながら正しい事を言っている、俺たちがこの本を手にした時、無意識に学校で使う先生用の本だと、テストの解答だと思った。
何故か分からない、ただこんな表紙で勘違い出来る訳が無い・・・。
今思うとあのおじさんも俺たちと同じ様に勘違いしていた・・・。
少年A「なんでだぁ!」
少年B「これはプラシーボ効果とは、違く無い?」
少年A「あっあぁ・・・。」
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名キキさん
作者怖話