その日、私は友人三人と夜の暗い道を歩いていた。
四人の笑い声の中、バイクを押して歩いていた友人Aの声が一際高く響く。
A「猫だ!すっごくかわいい!」
そういってAが抱き上げたのは小さな黒猫。
かわいい猫だったのでみんなで撫でてあげた。
しかしBだけは妙な顔をしてこういったのだ。
B「なんかその猫気持ち悪いよ。ほっといて行こうよ」
C「なんで〜かわいいじゃん」
B「あんまりその猫の近くにいたくないよ」
Bがそういったので、少し寂しかったが猫を置いて再び歩き始めた。
わたし「バイバイ猫!」
みんなそれぞれ猫に別れを告げる。
だがなぜか猫はついて来た。
にゃーにゃー
その時、Bが急に走り出したのです。
みんなで慌ててBを追いかける。
追いついた時には猫の姿は見えなくなっていた。
A「Bどうしたの?」
問いかけても返事はない。
Bはわたしたちの目的の場所である、友人Cの家の玄関前にいた。
C「とりあえず家に上がって」
その言葉を聞いてBは立ち上がる。
家の中で、なぜ走り出したのかBに質問した。
B「上手くいえないけど、なんだかとても気持ち悪かったの。わたしたちのあとをついて来たのでさらに気持ち悪くなって」
Bには霊感のようなものでもあるのだろうか?
C「どうして気持ち悪かったの?」
B「なんだか助けを求めてるみたいな感じがしたの。まるでもうすぐ自分が死ぬとわかってるみたいに」
その時。
ギャーーー!!!
ものすごい鳴き声が響き渡った。
外からだ。
慌てて四人で玄関へと走る。
玄関を開けて見たもの。
それはAの倒れたバイク−いや違う。
バイクの下敷きになって死んでいる先程の黒猫だった。
苦しかったのか、目と口を大きく開いて息絶えていた。
真っ先に反応したのはBだった。
Bは驚いて、泣きながら部屋へと走っていく。
Cが追いかけていき、優しい言葉をかけていた。
その夜、Bを除く三人で猫を埋めてあげた。
Bの言っていた事は当たっていたのだろうか。
だとすると猫は死ぬ運命だったのかも知れない。
なぜなら助けを求めていった人間のバイクに命を奪われてしまったのだから。
怖い話投稿:ホラーテラー 黒猫さん
作者怖話