その夏の夜は、いまや連日となった熱帯夜であり、わたしは喉の渇きに耐えられず二階の自室から下の台所へいき水を飲んでいた。
硝子のコップに水を半分ほど注ぐとすぐに、その生ぬるい水を飲み干し一息いれ、コップを流し台の横へ置く、まさに、そのときだった――
『Σ(´・ω・`;)!』背後に気配を感じる、すぐそばではない、が“なにか”が近くいる。
ほぼ同時に悪寒が躰を駆け、カタカタと震えをよんだ。
わたしに所謂“霊感”などない、けれども“それ”は確かに距離をノロノロと縮めてくるのがわかる。
なぜなら、さきほどまで台所に響くのは自分の息遣いだけのはずか、微かにヒュー…ヒュー…とうすい息が聴こえ、さらに気配に比例するように体の震えが増していく。
そんな状況ゆえか?はたまた火事場の糞力なのか、混乱する意識のなかでさきほどの流し台近くにある調味料いれある、硝子の筒に容れられた“塩”に気づくと、体を捻りわたしは背後の“それ”に投げつけ――その瞬間、薄明かりしかない闇に一層濃い暗い人影を、付け加えると顔の部分だけ男とも女ともつかない顔がおぼろげに視え、苦しげとも哀しげともいえない表情をうかべていた――硝子の容器が割れ、中身が飛散するとともに、“それ”は悲しみをうかべ、闇へ融けるようにいなくなる、同時にわたしは二階に駆けあがり、布団の上で(マジありえねぇ…!けど、ざまァ…ww)などタオルケットをまきつけガタガタ震え、鼻息を馬のごとくあらくしながら朝をまった…
翌朝、母の怒声を合図に台所へ向かった。
あれから一睡もせず、寝不足でぼやける意識のなか、(粗塩じゃなくてもそこそこ効くんだ!)とか(かーちゃんになんて説明しよう)と考えながら台所へ足を踏み入れた。
そこには見慣れた台所と、不動明王ばりに顔をしかめた母、そして、飛散した硝子の破片にとびちった……“醤油”。
ぼやけた意識のなか、(塩分ならなんでもいいんか!!)と心のなかで一人絶叫した、夏の早朝を、わたしはいまでも醤油をみると思い出す。
ただ、なぜ幽霊が悲しい顔をしていたかもよ~くわかるきがする今日、このごろ……(´・ω・`)
長文お粗末ですまんorz
怖い話投稿:ホラーテラー 眼鏡小僧さん
作者怖話