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短編2
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なんだったんだ?

あの日も今日のような猛暑日だった。

蝉の鳴き声がたくさん聞こえてくる

俺は部屋で扇風機をつけて横になっていた

俺『もっと風通し良ければいいのにぁ…』

と、くつろいでいたら

家の電話が鳴った。

『ジリリリリン…ジリリリリン』

俺『誰だし電話…』

とか思いながら受話器を取った。

俺『つーか、うちの電話ってこんな黒電話みたいな音だったか?』

と、疑問を抱きつつも受話器を耳にあてた。

俺『もしもし』

受話器『ザー…』

俺『もしもーし?』

受話器『ザー…』

受話器からはノイズのような音しか聞こえない。

俺『なんだ?いたずら電話か…』

と思い受話器を置こうとした

その時

受話器『…ャァ…オンギャァ…』

受話器から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

俺『ん?なんだ?』

再び受話器を耳にあてた

すると時間が経つにつれて

ノイズが混じっていてよく聞こえなかった赤ちゃんの泣き声が

どんどん鮮明に聞こえてくる…。

あまりに鮮明すぎて俺の部屋で赤ちゃんが泣いているんじゃないかと思ったくらいだ。

しかし俺は電話を切ろうとは思わなかった

なぜなら

赤ちゃんの泣き声を聞いて赤ちゃんは俺に助けを求めているのではないかと思ったからだ。

泣き声はより一層鮮明になっていく…

俺の心はどんどん受話器の向こう側へと興味をそそられていった。

すると俺の頭の中に受話器の向こう側と思われる光景が浮かび上がった

俺『なんだこの不思議な感覚は…』

次第に頭の中に浮かび上がっている光景も鮮明になっていく…

気が付くと

すでにその光景は頭の中ではなく目の前に広がっていた。

俺はびっくりした

受話器を耳からはなしたが目の前の光景は

あの頭の中に浮かび上がった光景のままだ。

俺『ここは何処だ…?』

そこは

古いアパートの一室のようで、目の前には小さなテーブルがあり窓際には赤ちゃん用のベッドがあった。

だけどさっきから様子がおかしい…

赤ちゃんの泣き声が全く聞こえない

それどころか蝉の泣き声も車の音も物音さえも全く聞こえない…

聞こえるのは俺が出す物音だけ

俺『とりあえず赤ちゃんを助けよう…』

そう思い

いるかいないかもわからない赤ちゃん用ベッドに歩み寄る

俺は赤ちゃん用ベッドを覗き込む

赤ちゃんがいる

しかし顔が俺とは逆側を向いていて赤ちゃんの顔がみえない

起こさないように慎重に抱き抱える…

赤ちゃんは寝ているみたいだった

俺『良かった…無事みたいだ』

そう思った時だった

赤ちゃんが目を開いた

信じられないくらい大きい目で

目の色は全部真っ黒…まるで宇宙人みたいだ

俺はびっくりして赤ちゃんを離し赤ちゃんは床に落ちた。

『ドンッ』

その音と共に目の前の光景は消えて俺は自分の部屋にいた。

俺『なんだったんだろう…いまのは…』

おわり

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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