短編2
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中学校…

これは昨年の話しです…

市の政策で地元の小学校と中学校が合併、中学校の校舎のほうは使わなくなりました。

今もグランドや体育館などは部活動で利用することがありますが、林に囲まれた不便な環境と、老朽化が進んでいることもあり、たった1年でまるで廃墟のような趣でした。

地元の子供会、放課後子供教室、学童保育所などが合同で肝試しをやることになったんです。

夕方からグランドでカレーライスを作って、花火をやったりワイワイガヤガヤ…。

子供たちも楽しそうだし、こんな企画もありかな……なんて思っていました。

暗くなってきたので体育館に集合、ロウソクを数箇所に灯した以外は電気を消して、まずは怪談話…。

まぁお約束ですが、この中学校は昔からお化けがでるとか、学校の七不思議とか、大人が面白がって子供たちをビビらせます。

用務員さん(管理人さん?)の話しがやけにリアルで怖かったです。

さて、すでに周囲は真っ暗になってきましたので肝試し本番です。

子供たちは二人一組で、用務員さんが何度も幽霊を見たと言ってた、2階のトイレの前の教室に木の札を置きに行きます。

私を含め、大人たちは隠れてオドカシ役だったんですが、大人たちのほうがシャレにならない不思議な体験をたくさんしました…。

まず、東側の1階から2階に上がる階段付近は窓もなく、本当に真っ暗なんですが空気が重たいというか存在感がある感じである種、異様な雰囲気を醸し出していました。

ここを担当した奥さんが見たそうです。

踊り場に体操着を着て、体育座りでたたずむ男の子を……

白組だったとかワケの分かんないことを言ってましたねぇ。

それから、音楽教室にピアノを鳴らしにいった奥さんがいたんですが、

音楽教室内の大きな鏡にだけ映り込んだ、青白い顔で合唱する10数人の合唱団……

複数の人が体験したのは、誰もいないはずの廊下を走るパタパタとした足音……

あるお父さんなんかは子供たちがやってきたのと勘違いして、「ワッ!」なんて言いながら廊下に出たのに、目の前を足音だけが通過していったそうです。

長い渡り廊下の窓の外から、

女のコが「ニヤーーーッ」と笑いながら、長い舌で窓ガラスを舐めていたそうです……

さて私は、例のトイレの前の教室に幽霊の格好で待機をする係だったんですが、

教室のちょうど真ん中あたり…、

机の上に腰掛けて、ユ~ラ ユ~ラと揺れているセーラー服姿の女のコを茫然と眺めていました……

なぜか、子供たちは誰ひとり遭遇することなく、怖い目にあったのは大人だけ…

そして今年もあと数日で肝試し大会です……

体育館でする怪談はこんな感じでどうでしょうか(笑)

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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