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中編3
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押し入れ

怖い話好きな私の友人から聞いた話です。

一人暮らしの男性がいました。

彼は大学生で、かなり几帳面でした。

ですので、例えば、リモコンはこの場所とか、調味料とかの配置に至っても、しっかりと定位置をキープしていました。

ある時、大学から帰って来ると、男性はふとした違和感を覚えました。

「場所がズレてる…」

全てではありませんでしたが、定位置に置いておいた物が、家を出る前より何センチかズレていました。

気にする程もない事ですが、まあ几帳面な性格でしたので、とりあえずズレた物を元の位置に戻しました。

その日は、何事も無く過ぎました。

ところが、それが毎日の様に続くのです。

「誰かの悪戯かなぁ…」

なんて考えますが、この近くに友人も居ないし、なにせ一人暮らし。

誰か知らない人が家に上がっているのを想像して、有り得ないだろうと思いつつも、少し可能性を感じて不安になりました。

もっとも、何でこんな事をするのかがわかりません。

そこで男性は、自分がいない間ビデオで部屋の中を撮影する事にしました。

そして次の日。

男性は、家を出る前に、しっかりとビデオカメラの録画ボタンを押し、学校へ向かいました。

帰宅。

男性は真っ先に、ビデオに写った映像を確認しました。

まず、自分の顔のアップが写り、しばらくカメラを確認し、「よしっ」と言って部屋を出ました。

ちなみに、彼の家は、安い1LDKで、キッチンまでしっかり映っています。

座っている男性を挟んで、前にテレビ、後ろに押し入れがある、といった構造です。

男性は、しばらく人のいない部屋を映した画面をまじまじと見ていました。

すると、どこから来たのか、背の低い老婆が画面の中の自分の部屋に映っていました。

男性は、一瞬びっくりしましたが、すぐに冷静になって、さらに真剣に画面を見ました。

すると、老婆は、まずキッチンに行き、ひたすら物をずらしていきます。

何がしたいのかはさっぱりわかりません。

そして、キッチンの物を一通りずらし終えると、今度はテーブルの上にある物をただひたすら…。

「…何がしたいんだ…?この人…」

流石に気味が悪くなってきたその時、調度、ビデオの中からガチャッ

という、ドアを開ける音がしました。

男性が帰って来たのです。

すると老婆は、作業を辞め、スーッとその場を離れたと思うと、

押し入れの中に入っていきました。

「………………………え?」

男性のすぐ後ろには押し入れ。

男性は怖くて振り返れません。

ビデオは既に途切れて、テレビ画面は真っ暗です。

それでも男性は、テレビから目を離せないで、硬直していました。

すると、静かに押し入れが開き、押し入れの上段から、誰かがひたひたと降りて来ました。

よくあるような話だし、怖くないと思います。

私的には、ぞっと来たのですが…(苦笑)

話が終わって、友達に、「結局そのお婆さんは何がしたかったの?」と尋ねたのですが、「その辺はよくわかんない」で終わってしまいました。

駄文、すみませんでした。

最後まで読んでくれて有り難うございます。

怖い話投稿:ホラーテラー マカロンさん  

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