前回初投稿した沙羅です。うん、なかなか投稿は楽しい。新しいホラテラの楽しみ方を見出だした。
また体験談を話そうと思う。
時はまた高校時代に遡る。ギター事件があった日以来、気にしていたせいか、度々金縛りにあう。毎回ではないが、その状態の時はビデオデッキの時計が2時13分を示している事が多い。
そのまま時計が止まっている事もあれば、普通に動いていることもある。
そして必ず、そういう状態の時は「ピシッピシッ」という部屋鳴りがする。
たまたま家にあった「う○ろの百太郎」で勉強したところ、どうやらラップ音というらしい。定義はわからないが、その当時はそれをラップ音と呼ぶことにした。
さて、話が逸れたが…
時は高校時代、青春真っ只中である。金縛りもラップ音も気にしてる場合じゃない、やりたい事だらけ。
バンドもそうだが、バイクも始めた。やっぱ男はバンドとバイクでしょ♪ってことで。
愛車はまずはNSR50。自家塗でワインレッドにカラーリング。仲間4人で峠専門のレースチーム「○○沙羅」を結成。日夜、峠攻めの練習をした。いつの間にかチームメイトも増え、そこそこの大所帯に。
自分はチームリーダーで、部屋は離れのプレハブ持ちだったので、溜まり場と化していた。平日、週末問わず誰かしら来て、酒を飲んでみたり、タバコすってみたり、恋やバイクやバンドの話で盛り上がり、ちょくちょく泊まっていった。
そんなある日、誰からともなく、「リーダーの部屋怖いんだよ。なんかあそこで寝てると金縛りにあう」
「そうそう、夜中になるとピシッピシッうるせーし」「金縛りで目が覚めるとTVついてて、砂嵐になってんだよ」
「あと、時計。そういう時、妙にビデオの緑デジタルが気になって、みると2時13分なんだよ」
「そうそう!」「おれもみた!」
…なんとみんな同じ体験してた。
それからは泊まりにくると、「俺より先に寝るなよ」というやり取りがよく行われた。最後に寝る人間は静けさの中でラップ音を聴くため怖いそうだ。自分は住人なので慣れてしまったが。
そんなある日のこと。翌日明け方から「風○し峠」を攻めようという事になり、チームメイトが集まり、ごちゃ寝していた。
「キーーーーン」と耳鳴りと共に目が覚めた。
…緑デジタルはいつもの時間。「はいはい」。もう慣れたものだ。いちいち直してもいない。
「うぅ…うぅ……」自分のオンボロパイプベッドの側で寝ていた仲間の1人がうなされているようだ。
「お、やられてるな」と思い、寝返り、そちらに目をやると…
友人のまわりがモヤモヤっと見える。空間が歪んでいるというか、何かがいる
相変わらず部屋には「ピシッピシッ」とラップ音。その中で「ブツブツブツ…」と耳打ちするような声?音?が聴こえる。
なんか嫌な感じがしたので「○○!←そいつの名前」と大きな声を出して呼んだ。
部屋の嫌な空気はなくなり、モヤモヤもなくなった。友人達は大きな声に驚き起き出した。(ついでに家の母ちゃんも起きてしまった)
モヤモヤになんかされてた友人は、小刻みに震えていた。「どうした?」と聞くと、どうやら金縛り状態になり「怖ぇ」と思っていたら、急に耳元で男の声がしたそうだ。
その声は確かに……
「これ持ってっちゃーか」「持ってっちゃーか」
と言っていたらしい。自分の所の訛りで、持っていこうかという意味である。
その日、予定通り風○し峠を攻め、楽しんだ。その友人はついて来たものの、気が乗らずギャラリーしていた。
そこにすかさず白バイ乱入!
「散れー!」
の一声で散り散りに逃走開始。最終的には自分の家に集合と決めてある。
暫くして…
みんな帰ってきたが、モヤモヤのやつだけ遅い。
心配になり、みんなで手分けして探そうと通りに出ると、農道をバイクをおして歩いている友人がいた。
…
逃げ切って、もうすぐ自分の家という所で、なんか呼ばれた感じがして、振り返った瞬間、ハンドル操作を誤り、ビニルハウスに突っ込んでしまったらしい。幸い大きな怪我はないが、メットにヒビが入る位、ハウスの骨に頭を打ち付けていた。
病院に行き、首にギブスをまいて出てきた友人が痛々しかった。
医者には、「メットかぶって無かったら、頭割れてたよ。助かってよかったね〜」と言われたらしい。
後日聞いた話だが
友人がモヤモヤに「これ持ってっちゃーか」と言われたとき
どうやらモヤモヤに頭を触れていたらしい………
長文文失礼しました。
また今度。
(おまけ)ビニルハウスは家の近所の人のもので、後日、母ちゃんと共に謝罪に伺い、こってりしぼられた後、補修致しました。
怖い話投稿:ホラーテラー 沙羅さん
作者怖話