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短編2
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電車の女

僕はいつもどおり学校へ行こうと電車に乗っていました。

その電車の中で、若い女性がなにやら不思議な動きをしています。

僕は端の席に座ったまま、その女性の動きを観察しました。

するとその女性は急に立ち上がり、窓の外を眺めだしたのです。

まだ駅にも着いていないのに。

おかしいじゃないですか。東横線の途中ですよ。山手線ならまだしも。

僕はどんどんその女性が気になってきたのですが、もう8時になるところでしたし、軽く小腹も減ってきました。

このままでは電車は地下に行ってしまいます。

そしたらお昼のお弁当を食べてしまう。僕はどんどん怖くなってきました。

気づくと女性が立った席に座ろうとした老人とサラリーマンが言い合いになっています。

このままじゃ全員やられると思いました。

しかし誰一人、目を合わせようとしないのです。

だから僕は、もう嫌気がさして、耳にイヤホンをつけ、周囲の音が聞こえないようにしました。

するとなんとイヤホンの右からしか音が流れてこないのです。

そうです。左耳に入っていたのはポップコーンだったのです。

あの女性はドアの前に移動していました。

パニックになった僕は隣の車両に行こうとしたのですが、今はあの女性を見失うほうが危険だと思い、

次の駅を待つことにしました。

これほど一区間が長く感じたことは無かったと思います。

そして何気なくあの女性を見た瞬間、僕はとんでもない過ちを犯していたことに気づきました。

なんと、右耳に入れていたのもポップコーンだったのです。

そして左耳にはまだポップコーンが入ったままでした。

僕はゆっくりとそれを口に運び、学校へ向かいました。

糸冬

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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