Aの言動が気になった俺は、深夜だったがAのアパートに寄らせてもらった。
「俺の話を信じてくれるか?」とAは真剣な眼差しで語り始めた。
廃墟内から出て次々にフェンスを越えてくる俺達を見て、安堵していたA。
しかし、Bがフェンス上に上がった時に『ソレ』は現れたという。
今からBが着地するべき地面から、ゆっくりと頭、顔、首…という順で一人の男が『出てきた』
上半身まで出てきた男は、Bを見つけてニヤリと笑ったのだという。
Aは“このままだとマズい”と思って叫んだが、時すでに遅くBは上半身の男に着地してしまったらしい。
車内では、みんなが混乱すると思って話せなかったA。
尋常ではない位の寒気とたたかいながら眠いふりをしていたのだ。
怖い話投稿:ホラーテラー たかしょうさん
作者怖話