文才無いかと…
御了承ください
数年前、俺がまだ22の時
当時広島で期間工に勤め、寮暮らしをしていた頃の話です。
高校を卒業してすぐに単身で広島に飛んだ俺には友人と呼べる人はなかなか出来ず、コミュニティも職場以外にはありませんでした。
まぁ、貯金が200万程貯まったら地元に帰る予定だったので、さほど気にしてはなかったんですがやはり休日に遊ぶ相手が居ないというのは精神的にちょっとキツいものがありました。
ある日、違う部所から配属されてきた宮田さん(仮名)という人を俺が教育しなきゃならん事になった。
まぁ教育といっても仕事を教えるだけだけど
宮田さんは確か当時42歳だったかな。曖昧だけど多分そのくらい
見た目は、元気の無いにしきのあきらって感じ。わりと恐モテのおっさんだった。
年下の俺に教育させるとか有り得ないわーと思ったけどまぁしょうがない。
宮田さんの初出勤の日が来て、俺は敬語を使いつつ気を配りつつ優しく一から仕事を教えてった。
しかし見た目とは裏腹、宮田さんは意外と腰が低く言葉使いも丁寧で知的な第二印象を受けた。
ホッとした俺は、その日に全体の流れだけを教えて後はゆっくり覚えていきましょうといかにもな教育をした。
怪我だけはしないように!みたいな感じに
仕事が終わり、俺は送迎バスを工場の外で待っていた
派遣の俺は会社が無料で送り迎えしてくれる。
しかしなかなかバスが来ないので煙草でも吸おうと思い、一本口にくわえたが肝心のライターが無い事に気付く。
あれ?どっかに置きっぱしたかなぁ… 参ったな…
と思っていると目の前にライターを差し出す手が現われた
その手の主は見上げると宮田さんだった。
あ…すいません!お借りしますね
と軽く頭を下げ受け取った。
煙草に火をつけて宮田さんに返すと宮田さんも一服し始める
宮田『田尻君もバス待ってるの?』
俺(田尻)『はい…ってか…え?宮田さんって俺と同じ会社なんですか?!』
宮田『そうだよ?あれ?周知来てなかったんだ?僕は知ってたよ?』
俺『まったく聞いてないっす(笑)あ、じゃああの寮に最近越して来たんすね?』
宮田『そうそう、一昨日からもうあの寮に住んでるよ。よろしくね』
と急な事実に驚きつつ、俺は宮田さんとバスが到着するまで話し続け、乗ってからもずっと火がついたように会話しまくった。
なかなかこんなに話せる人は今までに居なかったので凄くうれしく、友人になれたらいいなと思い
今度の休日、日曜にメシを食いに行く約束を取り付けた。
宮田さんも喜んでくれていたようだった
約束の日、寮の下に昼12時に待ち合わせをし二人で街へ出かけた。
まぁメシって言っても男女のデートじゃないから、すき家にでもって感じで適当に入った。
仕事の話やら趣味の話、女の話やらたくさん色んな事を話して凄く楽しかった
しかし一つだけ宮田さんの話で気になる事があった。
それは宮田さんの趣味の一つらしいんだが
何げなく達磨のコレクションって言ったんだよね。宮田さん
達磨って
オモチャでよくある達磨落としやら政治家がよく筆で目を書く大きい達磨とかあるけど、そんなん集めるかよ普通。どこに魅力が…
それに昔、本で読んだ事ある人間の達磨。
手足を切り取って胴体と頭だけを残して生命維持の為の器具を施すやつ。
もしこの達磨だったらマジキチ以外の何でもない
まぁそんなわけは無いだろうと思いつつも気になってしょうがないわけ ホントに肉達磨だったら恐いしさ
けど何故か、恐いとは別にもう一つ 興味 があった
てかぶっちゃけて言うと興味の方が大きかったかもしれない。
聞いてみようと思った
もし肉達磨なら拝見させて頂くつもりでね
でもすき家の店内で話すような話じゃないから店を出て街を歩きながら聞いてみた。それも直球で
その方が冗談にもなるしベストな判断だったと思う。
俺『あの…宮田さん、さっき話で出てきた…その…宮田さんの趣味の達磨なんですけど…それって人間の達磨ですか?』
宮田『あ…気になっちゃった?そっかそっか…じゃしょうがないね………僕は寮とは別にある部屋を借りてるんだけどそっちで保管してあるんだよ…今から見にくる?』
俺『……行きます!』
宮田さんが笑顔ですんなり話すもんだから俺は少し震えてしまった
普通の人ならここで笑って信じないのかもしれないが、俺はこの肉達磨については史実である事を知っている。
無論、迷う事なく行く事にした。
・希望のお声があれば続きも書きたいと思います!・
怖い話投稿:ホラーテラー 田尻さん
作者怖話