幽霊とかは一切出てきません。
今から7年ほど前、友人AとBと肝試しに行った。
肝試しと言っても、ヤンキーのくせに怖がりなBを怖がらせるのが目的。
場所は実体験はおろか、噂すらも聞いたことのない地元のハイキングコースの奥にある滝。
夜だと外灯などが一切ないので暗くて怖い程度の場所。
目的地に着いたのは夜中の1時頃、行きの車内で滝にまつわる作り話でBに恐怖を刷り込ませていた為、Bが車から降りようとしない。
するとAが
A「別に車で待っててもいいけど、あそこのトイレ気をつけろよ」
と言った。
その一言で車から降り、Aの腕につかまりながら進み始めるB。
ただのハイキングコース入口にあるトイレなのに…
入口から滝までは歩いて20分程度、真っ暗な中を携帯の明かりを照らして歩く。
Aの腕に絡みつき、腰が引けた状態のB。
俺がした屁の音で腰を抜かす程のビビリっぷり。
俺ら爆笑。
しかし、滝まであと100メートル位のところまで来た時、今まで来た時とは様子が違うことに気付く。
滝が明るい…
実際3人とも霊とかは見たことなかったので、怖さと興味半分半分で嫌がるBを引きずりながら滝が見える位置まで移動した。
そこには、提灯に明かりを灯し、白装束姿で滝に向かって土下座スタイルでお祈り?みたいなことをしている男女5人の姿があった。
幽霊とかではなかったが、夜中1時過ぎの非日常的な光景に俺とAは言葉が出なかった。
しかし、さっきまで腰を抜かしていたBは違った。
B「ちょっと何してっか聞いてこようぜ!」
俺・A「はぁっ!?」
B「どうみても人間だから、何かあってもどうにかなんだろ。」
俺「ちょっ、お前こんな時間にこんな場所で人間に会っても、『こんばんは』『はい、こんばんは』ってわけにはいかねーだろ!!」
滝の音で俺らの声は聞こえていないのか一心不乱に滝にお祈りをしている白装束軍団。
とりあえずBを説得し、車へ向かう。
あの軍団は何だったんだろう?などと会話をしながら歩いていると、
山の中からシャン、シャンという坊さんの杖?の音が聞こえる。
さすがにBもこれは怖かったらしく、そこからは3人とも車までダッシュ。
そして、急いで帰りました。
夜中に有り得ない場所で人に遭遇することがこんなに怖いとは思いませんでした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話