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短編2
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金属

2度目の投稿になります。

以前、父の地域清掃での体験『中身』を投稿した者です。

近いうちにまた書き込もうと思ったところ、今度は兄から新しい体験を聞きました。

ということで、今回は兄の体験を一つ。

私の兄は一時期、デパートのフードコートでアルバイトをしていました。

「フードコート」と一括する理由は、そのバイト内容が全店共通でメニューや看板なんかを各店に取りつける、といったものだからです。

その日も兄は、閉店時間ギリギリまで友達と働いていました。

もうすぐで閉まってしまうこともあってか、二階のフロアはほとんどの店が暗く、気がつくと自分たち以外には一人もいなかったのです。

やがてフードコート内も電気が消え、残るは兄とAと取りつけるため、メニューの名前が書いてあるプレートだけになってしまいました。

 「どうせだし、少しやっていこうか」

 「まだ、見回りも来てないしな」

作業しやすいために裸足で脚立に乗り、手にしていたプレートを取りつけている最中、隣の店の看板を直している友達が、

 「こんな時間に幽霊とか出たら、面白いよな」

笑ながら言うのです。実際そういうものが苦手だった兄は、思わず黙り込んでしまいました。

けれど友達の手前そんなことは言えず、

 「まあ、この時間なら出て来たって怖くないな」

つい言ってしまいました。

それからしばらく、たわいもない話で盛り上がり、作業も終わって脚立から下り、

 「そろそろ帰るかー」

友達の方を向いた瞬間、耳元を何かが擦る音がしたのです。

慌てて辺りを見渡す兄。友達の視線に気づき、ふと足元を見ると、

金属のプレートが、右足の小指から1センチほどずれた床に突き刺さっていました。

ああいうのって、本当にアニメみたいになるんです。

床に垂直に刺さり、ビヨーンと微かに振動するプレート。

しかもその金属のプレート、厚さ2センチでかなり大きく重いんです。

床は凹んで穴が空いてしまい…。

兄は床の弁償金を払い、友達と一緒にそのバイトをすぐに辞めました。

兄としては、あのバイトが危険だったというよりは、むしろ幽霊の罰が当たったんじゃないかと心配だったそうです。

兄は父とはまたちょっと違い、さまざな痛い事故に出くわしています。

けれどもし罰だったとしても、後少しで兄の小指はなくなっていたかもしれません。

そう考えると、どっちもどっちな気がしますが…。

また新しい出来事があったら載せようと思います。

ここまで目を通してくださった方、ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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