母と私と妹の実体験。
Aさんの母は霊感があるらしく
Aさん自身もまた霊感があり
今まで数多くの
不思議で恐ろしい体験を
してきたと私達に話してくれた。
しかし今回は何も感じる事なく
我が家に遊びに来た。
少しいつもと違う気がする…
そぉ電話で話をしているAさん。
おそらく母親に電話しているのだろう。
電話を切りこちらを向き
怖がる事なんかない!!
私があんた達助けるから安心して
そぉ言うと台所から塩を持って来て
玄関とベランダの隅に
各2つずつ盛り塩を作って
怖いと思わないこと!!
無理だろうけど
弱気になったら向こうの思うツボ!
もし恐怖にとらわれそうになったら
帰れ!帰れ!と念じて。
明日の朝また連絡するから。
とだけ告げて
その日は帰って行ってしまった…
その後妹は疲れたのかすぐに
眠ってしまい母と私は
この恐怖にどう向き合うか話をしていた。
私は最後にあの少女が
妹を指さしていた事を
思い出し母に伝えた。
どうしよう…どうなるんだろう…
妹に何かあるかもしれない…
私が守らなくては…
この時私は小学5年生。
妹は2つ下の小学3年生。
対処法なんて知るはずもない。
どうしよう…何で私達なんだ…
母と妹を守らなければ…
そんな思いが恐怖心と交差して
私は興奮していた。
母はひたすら私に謝り
こんな思いをさせてしまって
本当に情けない…
でも大丈夫。
しばらく休みを取って
私があんた達を守るから。と…
私は興奮していたが
睡魔には勝てずそのまま
母が起きてるいる横で
妹と一緒に眠ってしまっていた。
そして次の日の朝方
私は目を覚ました。
時計を見ると4時21分。
母は起きていた。
トイレに行って
母のいるリビングに向かう。
リビングに行くには大きな窓のある台所を
通らなければならない。
私はフッと窓の外を見た。
団地の入口(母が少女を見た方の入口)が
遠くの方に見える。
街灯がちらほらあるだけで
辺りはまだ暗い。
入口から駐車場まで
まっすぐ伸びた道がうっすら見える。
何かが走っている。
それを見た瞬間体が動かなくなった。
金縛りだ…
昨晩あれだけの恐怖に耐えたのに
またあの恐怖に襲われるのかと思うと
吐き気さえ感じた。
「走っているそれ」から目をそらせない。
それはひざまであるであろう
黒く長い髪を振り乱しながら
白目を向き
口からゴボゴボと血を吐き
白い着物をなびかせながら
白くガリガリな足で一心不乱に
こちらに疾走して来る女だった。
私のいる家は3階。
距離もそう短くないはない。
けれどその女の形相が
まじまじとわかってしまう
この状況に発狂しそうだった…
Aさんのあの言葉なんて
これっぽっちも脳裏になんかよぎらない。
私の脳裏をよぎったのは
怖い。おかしい。有り得ない。
そしてあの少女の顔だった…
女は明らかに私の住む棟に
向かって来ている。
全力疾走で走っているので
髪が乱れなびいている。
目は白目を向いているが
確かに私を見ている。
何故かわかった。
あまりの恐怖に私は失禁した。
それでもなお顔を背けることはできない。
とうとう女が見えなくなった。
この棟の真下に来てしまった
女が見えなくなった瞬間
体が動く様になり
その場に崩れ落ち母を呼んだ。
お母さん…お母さん!!!
母は血相を変えて台所に来た。
私の様子を見て
また見たの!?と叫ぶと
私達が何したって言うの!!
怖くなんかないわよ!!!
恐がらせても無駄なんだから!
帰れ!帰れ!帰れ!!!
そう叫んだ。
ビックリして妹が飛び起き
また泣き出してしまった。
そこで私も母もハッとなり
這いながらリビングへ行き
3人抱き合うようにして
外が明るくなるのを待った。
幸いそれから何も起こることなく
そのまま朝を迎えた。
そしてAさんから連絡が入り
Aさんの母親の紹介で
ある有名な霊媒師の所に行った。
そこは神社でもなくお寺でもなく
どこか異様な空気の漂う場所で
お堂の様な所に入った瞬間
私は耳鳴りがして目眩に襲われた。
後から入った妹は
突然倒れた。
母が妹の名前を呼ぶ。
だが返事はない。
すると霊媒師(以下Bさん)が
急いで来て妹を見るなり
お経?を唱えはじめた。
妹はカッと目を開いたかと思うと
いきなり立ち上がり
母の首を絞めようとした。
それを止めながらBさんが怒鳴る様に
お経のような呪文のような
とにかく聞いた事もないような
言葉を唱え続けた。
私はそれを震えながら
ただただ見守るしかなかった。
続く
怖い話投稿:ホラーテラー まーうんさん
作者怖話