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短編2
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尊敬

僕には三つ年上の兄ちゃんがいる。

勉強もできるし運動もできる。何をやってもかなわない。しかもイケメンときている。

兄ちゃんは僕のことを小さい頃から馬鹿にしていた。

学校でイジメられてるの知ってても、いつも知らんぷり。

いつか鼻血を流しながら家に帰った時も

「だっせぇ」

と鼻で笑われただけだった。

僕が中一の時だった。

そんな兄ちゃんが珍しく

「浩、ちょっと来いよ。面白い物見せてやる」

と自分の部屋に僕を呼んだ。

部屋に入ると、兄ちゃんが大きな望遠鏡で窓の外を見ていた。

「ちょっと見てみ」

?僕は言われるままに兄ちゃんがお年玉で買ったばかりの望遠鏡を覗き込んだ。

普通の一軒家が逆さになって映っていた。

「何これ?」

「その家な、ちょっと前テレビでやってたろ?一家惨殺の家なんだ」

「へ?」

「天体望遠鏡だから逆さまになって見にくいだろうけど、何かさ、心霊スポットに実際行ってるみたいで凄くね?」

「・・・・・」

「倍率上げたら部屋の中まで見えるし!仏壇があんだ。見てみるか?」

「いやだ。見たくない。怖いもん」

「お前、そんなんだからイジメられんだぜ(笑)」

「・・・じゃあ・・・見る」

「お!男だね~♪」

兄ちゃんは倍率を調整し僕に覗くよう促した。

「どうだ?こえ~だろ?」

!!!

僕は泣きながら部屋を飛び出した。「だっせ!」兄ちゃんの声が聞こえた。

(兄ちゃんって凄い!!仏壇に置いてある写真だけ逆さまじゃないのに怖くないんだもん!!)

怖い話投稿:ホラーテラー 清水浩さん  

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