夜中に玄関チャイムが鳴った

短編2
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夜中に玄関チャイムが鳴った

だいぶ前の事なんだけど、夜中に原稿と格闘していたら、0時半近くに玄関のチャイムが鳴った。

こんな夜中に誰だ?と思ってドアスコープを覗いたら、どっかの店員らしい兄さんが立っていた

「○○ピザです。ご注文のピザ、お届けに来ました~」

私はピザなんて頼んでない。

一人暮らしなので他に注文する人間もいない。

間違いじゃないかと告げると、確かにうちから注文を受けたと店員は言った。

「参ったな。受け取ってもらえないと、店に帰れないんですよ。確認の為にもドアを開けてもらえませんか?」

と言われたけど、こっちは修羅場の真っ最中。1秒でも時間が惜しい。

それに腹は減ってたけど、紙を触るのに油っぽい食べ物なんて無理と思い。

絶対に頼んでないし、頼んでないものは引き取れない。お店に戻って確認してもらえないかと、ドア越しに伝えて帰ってもらった

そして、ピザの所為で鳴りそうな腹をヴィターインでなぐさめて、作業を再開した。

翌日ポストに入ってたピザ屋のチラシを見て、夜の事を思い出し、

(ピザ屋も遅くまで大変だな…)

なんて思いながらチラシを見てたら、『配達は22時まで』と書いてあった

ん?昨日の兄さんは0時過ぎに来たぞ。

店によって随分差があるんだな

何となく気になって、ネットで手当たり次第に宅配ピザのサイトを調べたら、

都内でもド田舎のこの辺では、遅くても22時までしか受け付けない事が判明した。

って事は昨日のピザ屋は何者だったんだ…?

幽霊にしろ強盗にしろ、食欲に負けずに原稿を優先してドアを開けなくて良かったと思う。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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