だいぶ前の事なんだけど、夜中に原稿と格闘していたら、0時半近くに玄関のチャイムが鳴った。
こんな夜中に誰だ?と思ってドアスコープを覗いたら、どっかの店員らしい兄さんが立っていた
「○○ピザです。ご注文のピザ、お届けに来ました~」
私はピザなんて頼んでない。
一人暮らしなので他に注文する人間もいない。
間違いじゃないかと告げると、確かにうちから注文を受けたと店員は言った。
「参ったな。受け取ってもらえないと、店に帰れないんですよ。確認の為にもドアを開けてもらえませんか?」
と言われたけど、こっちは修羅場の真っ最中。1秒でも時間が惜しい。
それに腹は減ってたけど、紙を触るのに油っぽい食べ物なんて無理と思い。
絶対に頼んでないし、頼んでないものは引き取れない。お店に戻って確認してもらえないかと、ドア越しに伝えて帰ってもらった
そして、ピザの所為で鳴りそうな腹をヴィターインでなぐさめて、作業を再開した。
翌日ポストに入ってたピザ屋のチラシを見て、夜の事を思い出し、
(ピザ屋も遅くまで大変だな…)
なんて思いながらチラシを見てたら、『配達は22時まで』と書いてあった
ん?昨日の兄さんは0時過ぎに来たぞ。
店によって随分差があるんだな
何となく気になって、ネットで手当たり次第に宅配ピザのサイトを調べたら、
都内でもド田舎のこの辺では、遅くても22時までしか受け付けない事が判明した。
って事は昨日のピザ屋は何者だったんだ…?
幽霊にしろ強盗にしろ、食欲に負けずに原稿を優先してドアを開けなくて良かったと思う。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話