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中編4
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命の灯火・時空を越えて

今年、30歳を迎える俺は人生の終わりを迎えようとしていた

―振り返る事、25年前の話―

俺は5歳になるまで、海やプールに行くまで水着というものを着たことがなかった

常に全裸で泳いでいた

5歳の俺は泳ぐ時は全裸が普通なんだろうと思っていたのだろう

その証拠に5歳になるまでの俺の写真には、海やプールで全裸になって写ってる写真が残ってる

俺が水着を着るようになったの6歳になった夏の話

小学一年生になった俺は、両親と海へと遊びに行った

当然、全裸で

なんの恥じらいもなく海を駆け回ってると、同じクラスの女の子と出会った

その女の子は不思議そうにボーッと俺を見ている

視線の先は俺の股間だった

ただ、ひたすら俺の股間をガン見している

しばらく股間をガン見されていると、妙に恥ずかしくなってきた

周りを見ても、全裸で泳いでる人は誰一人居ない…

この時、初めて股間を晒け出す事への羞恥心という感情が生まれた

俺は慌てて股間を手で隠し両親への元へと走っていった

股間を手で隠し、両親の元へと走って行った当時6歳の俺

親は何事かと驚いて俺を見ていた

俺「俺も水着を履きたい!恥ずかしいよ!」

股間を押さえながら、泣きそうな顔で訴える俺に両親は「急にどうしたの?恥ずかしいならタオルでも巻いてなさい」と俺にタオルを渡した

俺はすぐにタオルで股間を隠した

もう俺の頭の中は恥ずかしさで いっぱいだ

当時の俺は、なぜ恥ずかしいかったのか理由なんて分からなかった

とにかく無性に恥ずかしさが込み上げて来たのだ

それの経験がトラウマになり、それから俺は全裸で人前に出ることが出来なくなった

それは30歳になった今でも変わらない

親を恨んだ事さえあった

アルバムの写真を見る度に当時の事を思い出し、恥ずかしくてたまらない

俺が今だに無職なのも、その時のトラウマが原因だ

そんな俺の気持ちなんて親は知らない

俺の気持ちも知らずに働けと言う親を見てると腹が立つ

そして今日も親は、働かない俺に対して小言を言い始めた

これから俺と親の壮絶な闘いが始まる…

俺と親の壮絶な闘いの幕を明けた

母「あんた、いい加減に将来の事を考えなさい。仕事は、ちゃんと探してるの?」

俺「もう、いい加減にしろ!俺が何で働けなくなったか教えてやろうか!?ちょっと待ってろ!!」

俺は、当時5歳の全裸の俺が写ってるアルバムを母の前に持っていき、母の前に叩きつけた!

俺「とにかく、これを見ろ!」

母「あら、懐かしいわね。あんたにも こんな時代があったんだね」

と微笑んで見ている

俺は頭の中で、何かがキレる音が聞こえた

ブチン…

俺「笑って見てんじゃねぇよ!! 俺が社会に出られなくて働けなくなったのは このせいなんだよ!!」と怒鳴り散らし、テーブルをバチンと叩いた

母も負けずと

「これと働かない事が関係あるの!? バカなこと言ってんじゃないよ!」と声を荒げた

やっぱり母は俺の気持ちなんて分かってなかった…

俺は失望した…

そこへ父が仕事から帰ってきた

俺と母の壮絶な闘いを繰り広げる中、父が帰ってきた

父「また喧嘩か?外まで声が聞こえたぞ」

母「父さんからも言ってよ。この子まったく働く気がないのよ…」

父「そうなのか?この前、父さんと母さんと約束しただろ。ちゃんと働くって。パチンコで使った母さんの1万5千円は働いて返すって言ってたじゃないか」

俺「あの時は本気で悪いと思って、パチンコで使った1万5千円だって ちゃんと働いて返そうと思ってた!でも、父さんも母さんも何も分かってない!もう、いいよ!!」

そう言って俺は自分の部屋へと駆け込んだ

(父さんも母さんも俺の気持ちなんて分かってくれない…)

俺は悔しかった

なんで俺の気持ちを理解してくれないんだ…

ドンドン

いきなりドアが叩かれて俺は思わず驚いた

「あけなさい」

父が静かに言った。

「ふざけるな!!!もう、ほっといてくれ!!子どもの気持ちが分からない親なんて親じゃない!!」

バアァアアンッ

ものすごい音でドアが

突き破られた

「このくそ息子!!!!!もうお前なんかムスコでもなんでもない!!ただのゴロツキだ!!お母さんを苦しめやがって!!死ねええええ!!!」

グサッ…

グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ

何度も何度も頭や首やら顔に包丁で刺された

俺はものすごい後悔の渦の中、意識を失った

ーふと気がつくと、俺は血だらけで原形。留めていない【何か】を見下ろしていた

(なんだこれ…ぐろい吐きそう)

隣を見ると父も血だらけになりながら右手には血だらけの包丁。

ハァッハァッと言っている

その隣には呆然としている母

(え、まさかこれ)

「大丈夫だ誰にもばれやしない」

父が笑いながら言った

「そうね…細かくバラバラにしてトイレに流せば大丈夫…よ」

母は静かに優しい笑みで微笑んだ

「じゃあ、あたしはここを綺麗に掃除しておくからあなた、何か切るもの持って来て片付けて」

「ああ、これで世間体を気にせず暮らせるな」

俺はただ唖然とするだけであった…

ー完ー

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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