※ずいぶん前に投稿した「動物園(番外)」、「動物園(番外2)」の続きです
内容忘れてしまった方、そもそも動物園シリーズを知らない方は
そちらのほうを参照してから読んでいただけると幸いです。
私は、一月以上もの間考え抜いた。
どうすれば、部屋を抜け出せるかについて
今の自分の状況について解っている事は
以下のとおりである
・私はとある部屋に囚われている
・その部屋にはホラーテラーという投稿サイトのみにアクセスできるPC端末がある
・そのPCから投稿しても新着一覧には表示されないが、URLは割り振られているので
直接、URLを入力すれば投稿内容を見ることができる
・他の投稿の閲覧およびコメントは普通にできる
・私がこの部屋から脱出するための条件は、
私がこの部屋から投稿した内容を誰かがコピペし
同サイト内に再度投稿することである
以上である
当然、私はこの部屋ら脱出したいと思っている
しかし、その脱出するための条件を満たすことが非常に厳しい
厳しい理由①
そもそも、私が投稿したことに気付く人が少ない
URLの連番を意識してサイトを閲覧する人など皆無に等しい
厳しい理由②
コピペという行為自体をあまりする人が居ない
厳しい理由③
そもそも、コピペしたくなるような良作を
私自身がなかなか書けないでいる
以上が、私が条件を満たす上で立ちはだかる障害である
いや…障害であった
私は条件を満たすための全く別のアプローチを閃いたのだ
きっかけは、私が部屋に閉じ込められた時のことを
回顧していた時に浮かんだ疑問だった
私をこの部屋に閉じ込める原因となったあの投稿
私は偶然見つけた投稿をコピペして、再度投稿したわけだが…
ここで、私が疑問に思ったこと…それは「何をもってコピペとするか?」だ
私は、あの時ただコピーとペーストをして投稿したわけではない
一度テキストエディタに張り付け
改行、句読点等を多少微調整したうえで投稿したのだ
コピー元となった投稿と一言一句一致しているわけではない
これは何を示すかというと
実際にコピペする必要などはないという事ではないのだろうか?
私が満たさなくてはならない条件とは
このPCから投稿された内容と「同様の内容」が投稿される事であり
実際に「原文がコピペされる」必要はないのではないか?
非常に微妙な差だが私はこの差を発見したことで
あの閃きを得たのだ
ふと、初めてこの部屋を訪れたときにいたあの男のことを思い出した
果たしてこの閃きをあの男は許すのだろうか?
多分、許すだろうと私は思った
あの男は確かに得体が知れないが
決められたルールに則ってさえいれば約束は守る
短い時間のやり取りでしかなかったがそんな雰囲気をあの男から感じていた
いずれににしろこのままではラチがあかない
やれることは全てやるべきだ
あれから数か月たった
私は無事あの部屋を脱出することに成功した
確かに時間がかかったが
しかし、それでもまともに投稿し続けるよりは遥かに効率的であったと思う
私はあの時、慎重に言葉を選びある投稿をした
当然それは一般の利用者には見えなかっただろうが私は気にしなかった
始めから誰かに見せるために投稿したのではない
そして事あるごとに私は他の投稿に対してコメントし続けた
私は、このサイトに存在する風潮
一部の馬鹿な利用者による馬鹿な行動を利用したのだ
それはあの部屋に囚われるまでは不快でしょうがなかったが
今となっては感謝すらしている
そう、私は以下の言葉を投稿し、以下のコメントをし続けたのだ
「強ち 起こり得ない話であるとは 言いきれない 」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話