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短編2
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取り込む

俺が間違っていたんだ。

あんなバカな事に興味を持つから…

俺は高校1年でやっていた部活もやめてしまい、勉強も手につかずくすぶっていた。

古本屋で変な本を発見した。「気功」だ。

それによると森羅万象には気 なるものが流れていて、 そこから気を取り込む事ができると言うのだ。

俺はさっそく 植物から気を取り込む事にした。神経を落ち着かせ、呼吸法を用い、ひたすらイメージする… 

気が満ちてくる。

いい気分だ。

俺は植物にはじまり動物などからも気 を取り込むことに成功した。 

心配なのは 気を取り込んだあと 植物でも 動物でも 心なしかエネルギー弱くなることだった。

当然だ。俺が頂いているのだから。

俺は有頂天だった。人にできないことが自分に出来る。 

それだけで最高にいい気分だった。

ある日、俺はあることを思い付いた。

 クラスの行け好かないやつから気を奪えないものか。

ターゲットはもちろん、学校一成績がよくて 女にモテる T だ。 

アイツを懲らしめてやろう。そう思った。 

 Tは俺の一列開けた斜め後ろの席だ。 気を集中して、呼吸法、イメージ… よし、入ってこい…

「俺なんかめまいがする。」 

Tはどうやら気分が悪くなり始めたようだ。 まだだ。まだ吸いとれる。

「保健室行ってくる」

その一日後、Tは学校を休んだ。ざまぁみろ。調子に乗ってるからだ。

Tが登校してきた。 もうさすがに人間から気を取るのは止めよう。

そう思って授業が始まったので黒板に集中した。 しかし、おかしい。 

耳の穴から、鼻の穴から、まわりの人間の気が入ってくる! 

 「先生、何か体がダルくなってきた」

「俺も」 「私も」

どうしたことだろう。意識していないのに俺は人の気を吸いとっている。 

 しかも今までと違うのは俺に気がめぐっていない所だ。 

 何らかの存在が俺を媒介に人の気を吸いとっていく。

あまりに体調不良者が多いので、俺のクラスだけ早退になった。

…俺のせい?

俺は化け物になったのか?

どうすればいい?

今も俺は他人の気を吸い取り続けている。その力はだんだん強くなってきている。

俺の周囲は意識を失うもの、入院する者で後を立たない。

犯罪を犯してしまってからではもう遅い。

これは、俺の…遺書だ。

怖い話投稿:ホラーテラー Nさん  

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