俺が間違っていたんだ。
あんなバカな事に興味を持つから…
俺は高校1年でやっていた部活もやめてしまい、勉強も手につかずくすぶっていた。
古本屋で変な本を発見した。「気功」だ。
それによると森羅万象には気 なるものが流れていて、 そこから気を取り込む事ができると言うのだ。
俺はさっそく 植物から気を取り込む事にした。神経を落ち着かせ、呼吸法を用い、ひたすらイメージする…
気が満ちてくる。
いい気分だ。
俺は植物にはじまり動物などからも気 を取り込むことに成功した。
心配なのは 気を取り込んだあと 植物でも 動物でも 心なしかエネルギー弱くなることだった。
当然だ。俺が頂いているのだから。
俺は有頂天だった。人にできないことが自分に出来る。
それだけで最高にいい気分だった。
ある日、俺はあることを思い付いた。
クラスの行け好かないやつから気を奪えないものか。
ターゲットはもちろん、学校一成績がよくて 女にモテる T だ。
アイツを懲らしめてやろう。そう思った。
Tは俺の一列開けた斜め後ろの席だ。 気を集中して、呼吸法、イメージ… よし、入ってこい…
「俺なんかめまいがする。」
Tはどうやら気分が悪くなり始めたようだ。 まだだ。まだ吸いとれる。
「保健室行ってくる」
その一日後、Tは学校を休んだ。ざまぁみろ。調子に乗ってるからだ。
Tが登校してきた。 もうさすがに人間から気を取るのは止めよう。
そう思って授業が始まったので黒板に集中した。 しかし、おかしい。
耳の穴から、鼻の穴から、まわりの人間の気が入ってくる!
「先生、何か体がダルくなってきた」
「俺も」 「私も」
どうしたことだろう。意識していないのに俺は人の気を吸いとっている。
しかも今までと違うのは俺に気がめぐっていない所だ。
何らかの存在が俺を媒介に人の気を吸いとっていく。
あまりに体調不良者が多いので、俺のクラスだけ早退になった。
…俺のせい?
俺は化け物になったのか?
どうすればいい?
今も俺は他人の気を吸い取り続けている。その力はだんだん強くなってきている。
俺の周囲は意識を失うもの、入院する者で後を立たない。
犯罪を犯してしまってからではもう遅い。
これは、俺の…遺書だ。
怖い話投稿:ホラーテラー Nさん
作者怖話