今、ちょうど花粉症が流行っていますね。花粉症になった方の中で、耳鼻科に行く方も多いのではないでしょうか?
これは、私が8歳の時に体験した出来事です。花粉症や耳鼻科という言葉に、直接関係あるわけではないのですが、一つ。
夏の夜。
その日は、ビデオをレンタルして、夜遅くまで父と一緒に見ていました。
父がもう寝ると言うので、私も、ということで、布団に入りました。
いつも通り起きれば朝が来る、と考えていた私でしたが、何故かその日に限ってなかなか眠れなかったのです。
隣で弟や父は眠っているし、時間は12時半。
今思えば、それほど遅くない時間ですが、当時8歳だった私は、いいかげん眠らなければ、と必死でした。
その瞬間、右耳に今までにない激痛が走ったのです。
鼓膜を何か鋭いもので貫かれたような、一気に込み上げてくるような激しい痛みでした。
あまりの痛さに泣きながら叫ぶと、何事かと父が慌てて起きてきました。
事情を話すと、心配性の父はこの時間にも関わらず、私を病院に連れて行くために着替え始めました。
私の家は、いわゆる都営でして、いくつか連なってそれらの目の前には、砂利の駐車場があるのですが、その砂利の駐車場を挟むようにして一軒家が建っているという、少し変わったつくりをしています。
私と父は、砂利の駐車場を走って、近くの子ども病院へ急ぎました。
けれど、私たちから見て左側の一軒家の二階の窓で、見てしまったのです。
高さは男性の平均身長ほど、そこには月明かりに照らされた人型が4体、窓に貼りついていました。
貼りついていた、とはそれらをよく見ると、障子に使われているような和紙で出来た人型で。
不思議なことに形は、お菓子のジンジャーブレッドのような、何とも奇妙なもので。
それが4体、カーテンが開き、窓に並ぶように貼りついていました。
顔などの細かいパーツは描かれていません。ちょっと高身長でスマートなジンジャーブレッドなんです。
しばらく驚いていたのですが、その間にさっきまでの激しい痛みは消えてしまいました。ピタリと止んだのです。
先を走っていた父が、私のところへ戻ってきました。嘘のように元気になった私を見て、安堵したのか、結局、病院には行きませんでした。
朝、深夜の出来事が気になって、学校へ行く道に、いつもは使わない砂利の駐車場を選びました。
3体なくなっていました。
日に照らされて、カーテンが閉められていないまま、1体貼りついていました。
以上です。
オチは特にないですが、今でもあの人型のジンジャーブレッドがどうしても気になってしまうのです。
あそこの家の方は、都営や、近くの一軒家に住んでいる方に比べると全然見ません。
ただ、あの家に電気がついたところも見たことありません。
ただ、朝になってから聞いたところ、深夜、たまたま耳鼻科医の先生がおやすみだったとかで。
なんだったのでしょうか。
ここまで目を通していただき、ありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話