短編2
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ガチャガチャ

これは自分が美容師の専門学校に通っていたときの話なんだけど

学校が終わり、週末ということもあって、皆で朝まで飲み明かそう みたいな流れになったんだよね

何軒か飲み歩いて、最後は一人の子(仮にAとしておきます)の家で宅飲みすることにしたんだよ

Aは一人暮らしだからみんなでそのまま家に向かうことにしたんだけど

よくよく考えると男は自分ひとりでAを含め残りはみんな女の子。

今夜は何かを感じさせる日だとテンションMAX状態だったんだよね。

Aのマンションで飲み始めて2時間ぐらいだったかなぁ

眠くなってしまった自分は(酒ヨェ〜)シャワーを浴びてからAにベッドで寝ようぜって言ったんだよね

まぁ1分後には玄関で寝てたんだけど…

ウトウトしてるとA達の声も静かになって、部屋の電気も消えたんだよね

これはチャンスと思いソオッとベッドに潜り込もうと部屋のドアノブに手をかけたその瞬間!!!

玄関のドアに郵便物や新聞をいれる隙間、そうあのスペースのカバーが突如 ガチャガチャガチャガチャッと開いたり閉じたりしてるんだよね

開いた瞬間に自分と向こう側にいる奴と目が合う

ずっとガチャガチャしてこっちを見ている

自分はというと情けないことに動けない

見てはいけないと思ってもそいつから目が離せない

ずっとガチャガチャしている

開いたり閉じたりを繰り返すそいつ

自分も怖かったんだけどなんだか腹がたったのでドアを勢いよく開けたんだよね

その瞬間!!

変なオッサンが挟んだ指を抑えながらダッシュで逃げていったんだ

状況をしっかりと把握するのに時間がかかったため その場に立ち尽くすことしかできなかった

後ろからA達が来たときにはもう酔いなど醒めていた

Aにはずっと付き纏われていたストーカーがいるらしいこと

そいつは40過ぎのオッサンだということ

小太り体型だということ

そうなんだよね 自分がさっきみた後ろ姿が まさにそれらにあてはまっていたんだよね

数日後、Aは実家から通うことにしてそいつも現れなくなったらしい

10年たった今でもあのガチャガチャって音が嫌なんだよね

みなさんは見られていませんか

怖い話投稿:ホラーテラー 稲川順一さん  

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