つい最近の話。
私の近所に、ある貼紙が貼られていた。
内容は、私の住んでいる街の民○委員の上の人物に対する悪口であった。
『私たち市民の金を騙し取り、酒を飲み周り、あげくの果て女をたぶらかしS○X三昧』
などと真実か否かわからないが、かなりの長文が書かれていた。
それから、何ヶ月なにもなかったが…
ある日、上記の民○委員(以下A)の自宅の壁に、『ウソツキカネカエセ』とスプレーで落書きされていた。
赤、緑、黒、など色々な色で描かれていた。
Aは、落書きを隠すためにベニア板で覆っていたら
後日、ベニア板で隠した余白に、スプレーで再度、落書きがされていた。
日に日にエスカレートし、
次はAの車、二台に落書きされていた。
落書きするスペースが無くなったのか、
Aの自宅に隣接する、私の倉庫に『ウソツキカネカエセ』と落書きされていた。
ちなみに倉庫は、私の自宅から少し離れているため、
犯人はAの敷地と勘違いしていたようだ
警察が私の自宅に、訪ねてきて、
私は、倉庫まで行き、私の倉庫の落書き箇所に指で指し
証拠写真を撮られた。
Aは、警察に被害届けを出しており、
心当たりがある人物を警察にあらかじめ伝えたのだが、
例え、99%の確率があっても100%じゃないと逮捕できないとのこと、
容疑がある人物の自宅に警察が訪問したが
『私はやってない』の一点張りだったそうだ。
警察が忠告として『あの倉庫は、○○さんの敷地じゃなくて、違う世帯主ですからね』
と伝えたそうだ。
私は、少し安心していたが
それもつかの間、
私の倉庫にまた落書きされた。
今回は酷く、私の倉庫は、遊園地のごとくカラフルなスプレーで落書きされていた。
私も、直ぐさま警察にも被害届けを出した。
その翌日、
夕食を食べていたら、サイレンが鳴っていた。
びっくりして、外に出ると、パトカーが四台私の倉庫の前に停まっていた。
スプレー缶を持っていた、老婆を現行犯逮捕したそうだ。
また、『○○(Aの名前)破産寸前』と貼紙が貼ってあった。
手錠をつけられ、パトカーに乗せられた老婆は、
目が血走っており、とても怖かった。
私は面識がない人物だった。
取り調べの結果、上記のAが心当りのある人物と一致したそうだ。
犯人は現在、服役している。
私の倉庫には、落書きは認めているが、Aの自宅の落書きは、未だ否認しているとのこと。
今日、犯人の娘さんが私の自宅に謝罪しに来た。
犯人は、夫が他界し一人暮らしだったそうだ。
それから、性格が変わってしまい。娘さんと争いが絶えなくなり
次第に疎遠になっていったそうだ。
犯人の娘さんも、夫が他界し、女手一つで子供を育てているらしい。
泣きながら、謝る姿をみていると
可哀相になり、告訴状を取下げることにした。
今回、『生身の人間の恨み』というものは幽霊よりも怖いということを心から痛感した。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話