【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編3
  • 表示切替
  • 使い方

心霊写真

これは私が体験した話です。

あれは、高校卒業後就職した会社での社会人1年目の夏のことでした。初めての社員旅行で、社長が個人的に持っている別荘に行ったのです。私は初めてということもあり、少し緊張していました。

私が勤めていた会社はとても小さく、社員も、社長、専務、部長、男性社員が2人、女性社員が2人。肩書もあまり関係なく全員で仕事をして、全員家族のようなアットホームな会社でした。

社長は元々かなり大手の会社に勤めており、定年後独立し、今の会社を作りました。

かなりヤリ手らしく、独立後わずか数年で会社を軌道にのせました。

ところが、ある時、会社の経営が危ないのではないかと噂が立ったのです。その噂の発信源は男性社員のAさんでした。Aさんによると、売上と支払の差が素人でも分かるほどひらいているとのことでした。経理については社長が一切を仕切っていたので真実はわかりません。私は、平社員には分からないような利益があるのではないか?とAさんに言ったのですが、Aさんは納得していないようでした。

私は自分のお給料は毎月きちんともらえているし、会社が倒産するというのは他所の話であって、自社が…というのは当時の私にとって現実味のない話でした。それから暫く経った頃、またAさんが話かけてきました。

「やっぱウチの会社ヤベーよ!」

「何がですか?」「これ、見てみ」「…」

その書類には債権調査の内容が記載され、書面の最後に〔破産管財人 弁護士○○〕のようなことが書いてありました。

「Aさん…これどこで見つけたんですか?」

「社長の机!」

「…」

その数日後、Aさんが来月末で退職することが朝礼で報告されました。

社員旅行は、Aさんの送別会もかねており、参加者は社員全員でした。別荘は有名な避暑地にあり、建物もオシャレなペンションでした。私はもう一人の女性社員のM子さんと同室でした。荷物を持ってその部屋に入ったとたん、イヤな感じがしました。それはM子さんも同じだったらしく、

「ねぇ…この部屋気持ち悪くない?」

「そうですね…」なんというかその部屋は、そこにいるだけで不安になるのです。あの時の感覚を言葉にすると、まさしく「不安」でした。でも、社長の別荘ですし部屋数も限られていたので、私達は我慢することにしたのです。

そして夕食。

別荘には住み込みのお手伝いさんがいらっしゃり、夕食の準備やら何やら全てこの女性がやってくれました。びっくりするほど美人なのですが、一言も喋らず、怖い印象だったのを覚えています。

夕食という名の飲み会を終え、お風呂に入って部屋に戻ったのが夜の11時頃だったと思います。M子さんと一緒に戻ったのですが、何故か私は部屋に入れませんでした。怖くて不安で泣いてしまったのです。

私が泣き出したのでM子さんはビックリしていました。何故泣いてしまったのか当時の私はわかりませんでした。そして何故か、

「Aさんと部屋をかわってもらいたい…」と言ったのです。何故かわかりませんが、Aさんがこの部屋に泊まらないといけないと強く思ったのです。

すみません。続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ