私の息子は幼くして怪奇趣味があり、
五歳くらいから
「幽霊が見える」
「悪霊に取りつかれた」
と騒ぐことが多く、
私は正直うんざりしていた。
息子が10歳の時、二人で多摩川に遊びに行った。
川から岸に上半身を乗せて下半身を浸した息子が、
少し離れた地面にいる私に
「お母さん、僕に何かが入ってくる」
と言って来た。
育児ノイローゼ気味の私は息子を放っていた。
「お母さん、大変だよ。お尻からたくさんのものが入ってくるよ」
うるさいな。何がお尻だ。
「お母さん僕おかしくなっちゃうよう」
やがて息子が岸に倒れこんで静かになった。
様子を見に近付くと、息子の体から
ブキブキ
メチメチ
ブチュルギュル
と音がして、お知りの穴から何かが5・6匹ブュルブュルと
出ていった。
カンディルという名も、
無責任な放流が問題と
なっていることも、
後から知った。
怖い話投稿:ホラーテラー 障さん
作者怖話