以前、接客のアルバイトをしていたことがある。
接客は、自分の範囲内の仕事ではないのだが、色々金銭的に切羽詰っていた為、仕方なしに働くことになってしまった(情けな…)。
店長やベテランの指導の下、親切に色々教えて貰った。
サービスの水に入れる氷は、3個。
お客様の見えない場所で、ゴミ処理をすること。
そして、特定のお客様がご来店した場合は、出すお水は必ず人数分より1つ少なめに出すこと。
そ、何がどうなのか、私も分からないのだが、“特定のお客様”が来られた時だけ必ず人数を一人多く数えてしまうのだ。
店長に色々聞くと、前任の店長からそう聞いただけとしか言わない。
いつの間にか出来た決まり事らしい。
現店長に言われたのは「特定のお客様が、不快に思わないようにしなければならない」と、最高の接客を教えてもらった。
つまり、私達接客する側が、配慮を払うのだと。
その後、近くの飲食店で働く知人に聞いてみたが、やはりその特定のお客様が来る時は、お水を一つ減らして持っていくルールがあるらしい。
だから、特定のお客様は、いつも一人憑いてくる事を知らない。
怖い話投稿:ホラーテラー 神楽さん
作者怖話