ここで一つ本当にあったお話を。
当時小学校4年だった私は、虫取りをしながら山の探検をしていました。
夕方5時頃、虫取りに夢中で結構奥まで入ってしまい、完全に遭難状況に陥っておりました。
手に持っているのは虫取り網と拾ったいい感じに振り回せる木の棒一本。
全く帰り道が分からず半泣きでした。
適当に通ったような道を進むと10m位の円形に開けた所に出てきました。
真ん中には7つの古びたお墓、お供え物はなく朽ちた花?らしき物があるだけでした。
辺りは薄暗く、完全にガクブルだった私はとりあえず気を失いました。
そこで夢を見ました。
二人の姫様と5人のお侍様、何をするわけでもなく姫様は微笑みお侍様は堅実な感じで姫様の回りであぐらをかいて座っておりました。
一人のお侍様が立ち上がりこっちに向かって来ました。
優しく手を握られ手を繋いだ状態で「こっちだ」と言いながら姫様達とは違う方向に歩いて行きました。
不思議と怖くはなく逆に安心感のような物を感じました。
「ここまでだ」と言われ目が覚めた。
手を握っていたのはおばあちゃんでした。
「全くお前は、いつも山で見るお侍さんと姫さんが慌てて出てきたけん何事かと思ったわ!!あそこには近づいたらいけん。静かに隠れさせてあげなさい。」
昔に何があったか知らないが、それ以上は教えてくれず私からも聞かなかった。
私はその山には近付くのは止めたが今でも遠くから感謝しています。
助けてくれてありがとう。
怖い話投稿:ホラーテラー 猪木課長さん
作者怖話