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中編5
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小屋

書きなぐり。しかも下手。普通に怖くない。でも長いよ。

10年以上前の話。

ド田舎のくせに肝試しが出来るような場所が無く、移動手段が自転車だった俺達は近場で心霊スポットを無理矢理作ろうと探してた。

ある日友人Aが

「幽霊出そうな場所見つけた。多分怖いって」

と言ってきた。

俺「どこ?」

A「ゴルフ場あるじゃん?その途中の道!竹やぶあって一瞬だけど小屋っぽいのがあった」

少し遠いイメージはあるが行けない距離じゃない。

…という事で土曜の夜11時に俺とAとBの3人は自転車で肝試しへ。

見渡せば田んぼ。街灯は力無く道をなんとか照らしてた。

行く途中、気味悪い事に道には以上な程猫の死骸があった。だいたい500m間に2匹か3匹くらい。

Aがいきなり自転車の方向を変えた。

A「なんなんださっきから!猫の死体ばっか!」

B「俺もさっき危なかった(笑)」

俺「A来た時もこんな感じだった?」

A「無いって!車だったけど、こんなに死体あったら気付くって!」

…なんともいえない気味悪さを感じつつ目的地へ。

A「この辺だったよなぁ…」

俺「道は間違ってないんだろ?」

A「大丈夫。一本道だったから、あ!あったあった」

Aが指差した場所は道から100mくらい離れてた。確かに竹やぶらしきモノがある。

自転車は道路から見えない位置に置き、田んぼの道を歩いて行った。

そして竹やぶの先に確かにそれはあった。

A「あれ?(笑)」

B「えぇ〜(笑)」

俺「嘘ぉ(笑)」

あったのは草木に囲まれた2つの小さなボロ小屋。

夜だし不気味さはあったがしょせん小屋。

俺達のイメージは立派?な廃墟だったのでかなりガッカリした。

農家の人って機具なんかを小屋に入れたりする人もいるんだけど、まさにそんな感じだった。

A「うわ〜ゴメン(笑)」

B「これ田んぼとかの小屋じゃね?」

俺「とりあえず中見て帰るか(笑)」

懐中電灯を唯一持って来たAは開きにくくなった小屋の戸を無理矢理開けて驚いた 。

A「え、鍋とかあるけど」

俺「これって昔人住んでたよな!?」

A「ほら!靴っぽいのあるって!」

B「…こっちのは子供の靴じゃね?」

全員「…」

…静まり返った空間に不気味さを感じ俺達は急いで外へ。

B「ビックリしたぁ、…生活すんなよこんな場所で」

俺「ホームレスでもいたのかよ」

A「この辺にホームレスっていた?」

などとビビりながらもみんな興奮気味。

B「隣も見て見るよな?」

俺「なんか使えるモンあるかもよ?」

B「どーする変なオッサンいたら(笑)」

そして隣の小屋の戸をBが開けようとしたその時、

「£%§※★!!」

何を言ったか分からなかったが太い声に全員ビクッとなって振り返った。

俺は心の中で

「やべー!見つかった」

って感じだった。

しーんと静まり返り全員キョロキョロしてた。

どこから声がしたのか分からなかったが小屋で行き止まりなので来た道の方を警戒した。

その時Aが

「うわ!」

と叫び、来た道を走り出した。それにつられ俺とBもダッシュ。

走りながら

俺「ちょ!なんだよ!」

B「なんだよ!A!」

A「子供いた子供!!」

「…!!」

自転車まで猛ダッシュ。

自転車に乗ってペダルがうまく踏めない俺は焦りながらも逃げて来た方を見た。

そこには幅60cmも無い道に不自然に横一列並んだ5〜6人の黒い人型があった。

2人も見たらしく、

「うわぁ!!」

「ヤバいヤバいヤバい!」

ってパニック。

最後尾になった俺は半泣き。それでも2人に追いつこうと必死に逃げた。

途中、ここで転んだら大変だと

「頼むから猫の死体にぶつかるなよ!!」

って心から願って自転車を走らせてた。

やっと町並が見えてきた所でBが

「もう大丈夫だろ!!」

と言い止まった。

みんなゼーゼー言いながら

「初めて見た」

「信じられねぇ」

「感動したけどヤバくね?」などと言いまくった。

俺「そういえばAは子供見たんだろ?どんな感じ?」

A「…うわ思い出すとこえーな。俺の横にいたんだよ。…なんだろ、とにかく目だけ光ってた」

しばらく呆然としてたが息も整い、少し冷静になったとこで

俺「ダメだ。今日Bんち泊まらせて。」

A「あ、俺も」

B「ん、いいよ」

その後Bの家に行き、ビビった俺達は電気をつけたまま寝たんだけど、寝る前にBが

「そういえば行く時あった猫の死体、帰りあった?」

「…」

A「わかんねぇ、寝ようぜ」

俺は心の中で

「あぁ、無かった」

と答えた。

ー数十年後。

なんだか忘れたけど、ばーちゃんの手伝いで一緒に内職みたいなのやらされた。

あまり話す機会が無かったせいかばーちゃん喋る喋る。まぁ、昔の話ばかりなんだけど。

しかしそこで小屋の正体を知る事になる。

ば「昔あの辺はなーんも無かったけど、いつだったかゴルフ場できたろ?」

俺「あぁー、うん」

ば「だから朝から高そうな車ばっか通るようになったんだ。昔は車なんて通らなかったのによ(笑)」

俺「そういえばゴルフ場途中って田んぼばっかじゃん?人住んでなかった?」

ば「あぁー…」

俺「竹やぶあって、小屋みたいな家?が2つ…」

ば「ええぇ?まだあんのか?」

俺「あぁ、わかんない。俺行ったの小さい頃だし」

ば「行ったのか?」

俺「幽霊見たんだよ(笑)それから1回も行ってない(笑)」

ば「なんだ気持ち悪ぃな…」

俺「なんなの?住んでたんでしょ?」

ば「いつだったかな…オレが20前だったかな…、忘れたけどそこにチョ…(差別用語だった)が家族5人で住み着いたんだわ。」

俺「朝鮮人の家族が?」

ば「そう。でも全員殺されたんだ」

鳥肌がブワッとなった。

ば「犯人はだいたい分かってたらしいけど証拠も無いし、殺されたのが日本人じゃねぇから警察もそんなに動かなかったんじゃねぇか?」

俺「…」

ば「子供はむごいわな」

差別的な時代に誰もいない外れた場所に小屋を建て、おそらく頑張って生きていこうとしてたであろうと考えると…

胸がグシャッとなった

怖い話投稿:ホラーテラー 3太郎さん  

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