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短編2
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釣り

これは中学生の頃のお話。

僕はN市の町外れに住んでいる。

そこには年中霧がかかったような林に囲まれた雰囲気の悪い池があった。

当時、僕らの周りではブラックバス釣りが大流行しており、雰囲気は悪いと言えどバスがよく釣れるその池へ友人A、Bと出掛けた。

最初は中学生レベルのたわいもない話をしながらルアーを投げ続けていました。

日も落ちそうな夕方の時間帯に

僕『釣れないなー!坊主だけは勘弁(笑)』

A『お前釣りセンスないからな(笑)』

僕『うるさいな!お前がゆうな』

B『うわ!ねがかりした!』

A『釣りセンスないやつばっかし(笑)』

Bが竿を引っ張る

B『あ!取れたけど竿が重いからゴミ拾ってきたな…厄介…』

Bが最後までリールを巻くと針が引っ掛けてきたゴミはブラジャーでした。

中学生な僕らは

A『お前それ持って帰るんだろー(笑)』

僕『ありえる!Bはそーゆうの大好きだもんな』

B『いらんわ!』

と言いBはブラジャーをその辺に投げ捨てました。

A『もったいな!今日のおかずにしろよ(笑)』

とくだらない会話が続いていました。

ようやくその日は無事に釣りも終わり、次の日の学校で3人とも今日も同じ池へ釣りをしに行く約束をしました。

学校も終わり3人待ち合わせをし、池へと向かいました。

池にさしかかろうとした時に

B『なんか警察がいるんだけど!』

僕、A『まじだ!』

3人で近寄ると警察のバリケードが貼られており、目の前に行くことはできなかったけど、そこにいた近所のおばちゃんに事情を聞くと

『さっき女の人の死体が石に結ばれて発見されたのよ…物騒ね』

3人『マジかよ!やばくね?』

『うわ!あれみて』とAが指をさした。

僕とBはその指の方向へ目をやりました。

するとそこには昨日Bが釣り上げたブラジャーの周りにチョークで丸がつけてあり、ナンバープレートを置き警察が写真を撮っていたのです。

そう。あのブラジャーは死体の遺留品だったのです。

次の日に新聞の隅に載っていましたが、婦女暴行され殺された後に重しの石と一緒に池へ捨てられたそうです。

考えてみると、死体が放置されていた池の水で釣りをして、その水が付いたルアーや釣り糸を満遍ないなく触っていた事にゾッとしました。

当然あの日使った釣り道具はすぐに捨てました。

怖い話投稿:ホラーテラー 雅也さん  

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