短編2
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チャイム【その後】

昨日、チャイムを投稿したものです。

チャイムはその後も鳴り続けましたが、翌日は朝から予定も入っていたので、布団に潜り込み眠りにつきました。

朝、目が覚めた時には遠くに鳴り響く選挙カーの演説しか聞こえず、ホッと胸を撫で下ろしました。

昨日の出来事が少し気になりながらも、友人と少し遠出し、あれこれしている内にすっかり忘れていました。

つい先程、駅で友人と別れ帰路に着いたんですが、私の家に近づくにつれあの音が頭の中に響いてきました。

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン

ちょっと疲れたのかなぁと思いつつも、自宅を前にした時生きた心地がしませんでした。

実際にチャイムは鳴っていました。

あの、でっかいおばあちゃんが私の家のチャイムを押し続けているんです。

あまりの恐ろしさに体が震え、頭が真っ白になった私は、

あの、何か用ですか?

と、しどろもどろ尋ねていました。

おばあちゃんは私の問いに振り向きもせずチャイムを鳴らし続けています。

足がすくみ、どうする事もできずに立ちすくんでいると、急にチャイムを鳴らす手が止まりました。

そしてゆっくりとこちらに向かって歩きだし、私を見下ろすと、

絶対に許さないよ

そう一言だけ呟いて闇夜に消え去って行きました。

原因を思い出そうとしたんですが、全く心当たりも無く、何の事かさっぱり分かりません。

私を見下ろしたあの顔は尋常じゃありませんでした。

このままだときっと殺されそうです。

明日にでも新しい住居を探そうと思います。

怖い話投稿:ホラーテラー ぴっちさん  

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