私が愛して止まない世界的ハンバーガーチェーン店について書く
そのハンバーガーチェーン店は、踊りに夢中な道化師のマスコットキャラクターも有名で、世界中の子供達にも大人気だ。
自分も小さい頃から慣れ親しんでいるので、大人になった今でも料理が面倒なときなど、いかんなあと思いつつ、ついつい手が伸びてしまう。なかなか抜け出せそうにはない。
話は少し変わるが、1990年台、スティーブンキング原作で「IT(イット)」というホラー映画(ドラマ)があった。
奇怪な踊る道化師ペニーワイズが、主人公及び仲間を幼少期、また大人になってからも襲うという内容で、それまでにまがりなりにもあった日本人のピエロに対する「陽気さ」「面白そう」というイメージを、「恐怖」ひとくくりに一変させてしまった、なかなか印象の強い映画である。
主人公達は幼少期にも仲間を失ってしまい、大人になってからも多くの犠牲者を出しつつ、やっと「IT」の恐怖から脱出する。幼少期にうけた影響は、なかなか脱せれるものではないようだ。
ハンバーガーの話に戻そう。その会社はホームページも充実している。
子供向けに、ミニゲームなんかもあったりする。
ふわふわ浮かぶ風船に書かれたメニューのなかにある、世界地図のなかから国の名前を選ぶというゲームも、面白くてためにもなって、言うことなしだ。クリアーすると赤い水しぶきのようにデフォルメされた花火が上がる演出も憎い。
それとは関係ないが、「IT」のペニーワイズが神出鬼没に現れ、心理的に追い詰めてくるシーンもなかなかのものだった。
家の中に風船が乱れ飛び、それが割れると中から血と思われる赤い液体が飛び散る。しかし自分以外の人はそれが全く見えない・・・。
周りの助けを求めるべき人間には気づかれないまま、「IT」に染められていく世界。
「お前も浮かぶのさ、風船のように、ふわふわと・・・」
ペニーワイズの言葉には、子供心に恐怖を覚えたものだ。
まあ、それはさておきハンバーガーチェーンの話だが、ホームページにはマスコットキャラクターのオリジナルの物語も掲載されている。題して「ドナ○ドをさがして」
とても印象深いので是非この場を借りてご紹介したい。
語り部が、ピエロのド○ルドをさがして様々な人に聞いてまわる。やがて最後には・・・という流れで物語は進む。
語り部が出会う人々の中には、「病室からで出ることのできないきれいなひとりの女の人」も登場する。
彼女は語る。「(前略)いつも窓辺にかわいい季節の花を届けてくれる人がいてそれが彼(ドナル○)だっていうこと。(中略)お昼寝の時間にこっそり届けてくれるのだけれど、あるときカーテンの隙間から赤毛と黄色い手袋がのぞいていたもの。うとうとしてたけど、(○ナルドに)間違いないわ」
病室でいつ終わるともしれぬ闘病生活を強いられる一人の女性。そんな日常の中、時折病室に届けられる謎の花。
心当たりはなく、不審に持っていると、ある日眠っているところに例の花が窓辺に置かれる。
はっとして周りを見渡すと、カーテンのすきまからのぞく赤い髪と手袋!
恐怖で薄れていく意識のなか、女性はカーテンの後ろの影がニヤリと笑ったのを見たような気がした・・・。
「夕日の美しさだってド○○○の贈り物かもしれないわ」
精神に異常をきたし、奇妙な言葉をうわごとのようにつぶやく変わり果ててしまった愛する女性をみて、残された身内はなにを思うのか。
女性の一刻も早い回復を祈るとともに、遺憾ながらこのような事態を招いた病院の管理、運営に携わった者の責任を追及せざるを得ない、社会派ハートウォーミングストーリーである。
そして旅路の果てに語り部はついにド○○ドにめぐりあう。しかし語り部はそのことについては「言えない」という。
語り部は語る。「その○ナル○は、ボクだけのド○ル○なんだから
きみにはきみの○ナ○ドがいるはずさ」
そこで急に文字は赤字となり「ねえねえ、きみに教えてほしい ドナル○ってどんなやつ?」
その字が消えると、画面に真っ赤な足跡が現れ、おしまいである。
語り部の身になにが起こったのであろうか。想像するだに手に汗握る、愛の物語である。
是非ご自身の目で確かめて欲しい。
また、一連の話とは全く関連性がないが、そのハンバーガーチェーン店のキャッチコピーは「I’m lovin’ it」である。
怖い話投稿:ホラーテラー 剛毛素人さん
作者怖話