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短編2
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意味怖不謹慎編

これは勢力の強い台風が直撃した時の話だ。

警官の俺は逃げ遅れた人が取り残されていないか見廻りをしていた

雨と風は激しくなる一方だ。

自分も危ないなと思い、切り上げようとした時だった。

若い女が泣きながらかけて来た。

「お願いです、母を助けて下さい!足を滑らせ川に転落してしまいました」

すぐそばの川を見てみたが流れが早く氾濫しかかっている。

とても助けられるような状況じゃない。

俺は応援を呼んで捜索しますと言って、女を安全な避難所へと誘導した。

去り際にもう一度川を見ると、か細い白い手がにゅっと突き出ていた。

目に雨が入った・・・目をこすって見直して見ると何も無い。

ただの見間違いか・・・

翌日、川は濁流のままだったが5キロ先の下流で女性の溺死体が発見された。

夕方、昨日の女に身元確認をさせると目から大粒の涙をこぼして母だと言った。

「どうしてこんなことに・・・」

女は母の死体にしがみつき、わんわん泣いていた。

野次馬の中にこの親子を知るおばちゃんだったのだろうか。

「お母さんは寝たきりだったのにねぇ・・・娘さんも一生懸命介護していたのに」

と、涙を流していた。

もう暗い時間だ。

今日はどうするのか尋ねると、

「私の地区の避難勧告は解除されました。母の遺体とともに家に戻って寝ます」

との事だった。

台風さえなければ、こんな痛ましい事故は・・・

俺は温暖化防止を呼びかける運動にも参加しようと思った。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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