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短編2
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もやに覆われた写真

東日本大震災が起こった数日後に、私は緊急援助隊として東北の津波で被災した港町へ派遣されました。

私の所属する隊は瓦礫の中を縫う様にして活動し、その合間に活動の報告と今後の資料の為に写真を撮ったのですが、その中の一枚(ある金融機関の建物)がもやに包まれているようになって写っていました。写真の中央の建物がもやに覆われているといった感じでしょうか。

その写真を撮った日は快晴で、カメラのレンズが曇っていたわけでもなく、その時は何だろうかと不思議に思っただけでした。まぁ、それどころでは無かったのが正直なところでしたが。

その後、私達の活動が終了して帰宅が叶いましたが、休日に妻の友達夫婦と我が家で昼食会をした際に東日本大震災の話となり、話の流れからもやに覆われた写真を見せる事となりました。

妻の友人は霊感が強く、彼女はその写真をしばらく凝視した後、目に涙を浮かべて、徐に写真をテーブルの上に置いて言いました。

「このもやのように見えるのは、まだ自分が死んだ事を理解してない人の霊です。この写真はもっていない方が良いでしょう。」

私は速攻でその写真をライダーで焼却し(幸いすぐに燃えた)、高尾山で買った塩と混ぜて水道水で流しました。

また、彼女はなるべく早く被災地の海辺には慰霊碑を建てた方が良いとも言いました。

東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、魂の平安が一刻も早く訪れる事を願って止みません。

駄文を長々と大変申し訳ありませんでした。以上で終わります。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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