あんまり怖い話じゃないかもです。
高校の時の話。
私の通っていた高校はかなり大きくてなかなか歴史ある学校でした………そこ、素直に古いって言えとか言わない。
で、まあ歴史ある(あくまで歴史ある)学校ならそういうのの1つや2つあるじゃないですか。私の母校にもあったわけです。うちにあったのは真夜中に西館1階のトイレの鏡を見るとなにかが起こる………というものでした
真夜中のトイレの鏡って、そんなベタな。しかもなにかってなにさ(笑)と思ってましたが好きだった部活の先輩(以下A)がこの手の話が好きだったり、私自身も怖い話や不思議な話とかが大好物だったりで、いつか2人で夜の校舎に忍び込んで………なんて思ったりしてましたが根が小心者、ってかかなりのチキンなんで妄想だけに留めて悶々としながら過ごしていました。
そんなこんなで1学期の終わり頃。高気温に高湿度、まさに日本の夏!といった風情になってきたある日の部活終了後のこと。同じ部活のオカルト好きの同士、もとい友人のBが話しかけてきました。「N(私のこと)ー今日の夜暇?」わかりきったこと聞くなよ、どーせ暇だよと思いながら肯定すると「今日部活の子らと西館トイレに肝試しに行こーと思うんだけど来ない?」と言ってきました。
………怖い系の話とかは好きだけど根はチキンなのでぶっちゃけあんまし行きたくなかったですが行かないと言うのはなんかシャクである。どうしようか悩んでるとBが一言、「A先輩も呼ぶよ?」
夕飯を食べ終えてBの家に向かう私。………釣られましたよ、ええ。
で、Bの家にいくとA先輩にB、他に3人ほど同じ部活の子が既に居ました。その後肝試しにいくにはちょっと早いってことでBの部屋で順番に怖い話とかしながら時間を潰し、いい時間になった所で学校に肝試しに向かいました
皆でワイワイ話しながら学校に向かいましたが学校が近付くにつれ段々口数が少なくなり、正門前まで来ると学校の不気味さに皆無言になってしまいました
正門を乗り越えた後Bはあらかじめ用意していたのか、細い紙のクジを取り出し皆に引かせてきました。どうやら1人ずつ行かせる気のようである
1人ずつかよ!A先輩と2人きりなれないぢゃん!とか思いながらクジを引くと紙の下部には6と、ご丁寧に血文字っぽく書いてありました。無駄なトコに凝らないで欲しいと、どうでもいいことを思った
トップバッターのA先輩はデジカメ(行ったという証拠用。これもBが用意)を携え西館1階のトイレへと向かいました。その間皆は見つかった時いつでも逃げられるように待機していました。や、私はA先輩を置いて逃げようとは思ってませんでしたが。
しばらくするとA先輩が帰ってきました。デジカメを皆に見せてなんもなかったよーと笑いながら言い、2番手のBに渡した。
次々とトイレに行っては帰ってくる皆。そして私の番になり、デジカメを手渡され西館のトイレへと向かいました。
真っ暗な廊下をおっかなびっくり進んでいき、しばらくいくと目的地のトイレの前へ着きました。
正直私はこの時点で限界ギリギリまで怖かったのですが、A先輩の前で不様な姿は晒せない。そう自分を奮いたたせ、トイレの扉を開けて中へ
とりあえず電気は点けないで件の鏡の前へ行き、写真を撮ることに。デジカメを持つ右手が震えてるのに少し笑いながら何枚かパシャリ。その時なるべく鏡の方を見ないようにしながら撮っていたのですが、よせばいいのに鏡の方を見てみました
―少し怯えたような顔をした私が鏡にうつっている―
あたりまえである、鏡なのだから。ちょっとビビりすぎだなと思い、少し笑えた。鏡の私も少し笑う。
なんだ、やっぱりそうそう本当に怖いこととか起きないよねーと思い、さて戻ろうとしたところで鏡にうつる私に何か違和感を感じた。
なにかがおかしい。パッと見てそう思い、鏡の私をじっくりと見つめなおす。しばらく鏡を見つめ、そして何に違和感を感じたかに気付く。
―鏡の私、目をつむってる―
もちろん私は目をつむってなんていない、つむっていたら鏡の私をみることなんてできない
それに気付いた瞬間、弾かれた様にトイレを飛び出し、皆の所に走って戻りました。
以上で終わりです。これ以降なんにも起きてはいません。ちなみに写真にはなんにも写っていませんでした
今思うと両目をつむってる自分を肉眼で見るという貴重な経験だったのかもしれませんねw
長文・駄文失礼致しました。でわでわ
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話