何年か前に大学の先輩から聞いた話です。
その先輩は、ある日友達と遊んでいて、有名な心霊スポットであるN峡に行ってみようということになった。
時間は確か夕方頃だと言っていたと思う。
そこにはトンネルがあって、
「トンネルの真ん中で車を停め、ライトを消してクラクションを三回鳴らすと幽霊が出る」
というありがちな噂があるらしい。
先輩たちは車を持っておらずバイクで行っていたのでその儀式(?)はできず、
せっかくなのでトンネル内を歩いてみようということになった。
トンネルの入り口にバイクを停めて向こうまで歩いて行ったが、
トンネルの向こうで変なおばあさんが散歩していたぐらいで、
心霊現象の類いは何も起こらなかった。
「何もなかったな」
と言いながら歩いてトンネルを戻っていると、
トンネルの真ん中辺りで止まる車が。
案の定その車はそのままライトを消し、クラクションを三回…
あっやば!と思った次の瞬間、
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
儀式(笑)をやった車は叫び声をあげて、猛スピードで走り去って行った。
明らかに、
先輩たちの顔を見て。
幽霊に間違われたなんて人初めて見たから私たちは爆笑だったけど、
その車の人たちはきっと帰って周りに
「マジで出たんよ!」
と言いふらしていることだろう。
噂の真相なんてこんなもんなんだろうなと思いました。
怖い話投稿:ホラーテラー 広島在住 匿名さん
作者怖話