始めて投稿致します。
これは自分が体験した話なのですが、たいして怖くも無いし落ちも有りません。そしてそこそこ長いです。
お目汚し程度に読んでいただけると幸いです。
その体験とは、自分がまだ高校生だった頃です。
その日私は、バイトを終えていつもなら寄り道をせずにすぐに家に帰るのですが、その日に限ってどうしても見たいテレビが有り丁度バイト先から家迄の中間にある祖母の家に立ち寄りました。
祖母の家は結構古くて良く言えば趣がある家、悪く言えば若干不気味な家と言った感じでお盆など親戚の子供達が集まると怖い話などをしたりする様な家でした。
まぁそんな怖い話などをしている時も電源の入っていないラジオが一人でに鳴り出したり、オーディオのスピーカーが突然異音を発したりと中々愉快な家だったんですけど、大勢でいるとさして怖くもないのでその日は特に気にもせず一人でテレビを見ていました。
ここで少し間取りを説明すると、玄関が有ってそこからすぐに二階へ上がる階段が有るのですが今回は二階部分は関係無いので端折ります。
で、一階には階段の下にすぐ部屋が有りその奥に小さなテレビが置いてある待合室みたいな部屋が有ります。自分はそこでテレビをみていました。隣には祖母の部屋そのまた隣に祖父の部屋といった感じです。
暫くテレビを見ていると、階段下の部屋の方からこちらへ近づいて来る足音が聞こえて来ました。
私はその時、ん?祖母かな?といった程度で特に気にはせずテレビを見続けていました。
そして尚も足音はこちらに近づいて来ます。
私は少しだけ気になり始めましたがテレビはテレビで気になるのでまぁ部屋に来たら挨拶位しておけば良いだろうと思いテレビを見続けました。
そして足音はドアの前迄来るとピタリとその音を止めました。
ん?部屋に入って来ないのかな?
「おばあちゃん?」
私はドアに向かって呼び掛けました。
返事は有りません。
おかしいなー?確かに人の気配はするのにな?
私はドアの向こう側が気になりテレビはもう見ている様で見ていない様な感じになっていて暫らくドアの方へ集中していると、又もや階段下の部屋の方からこちらへ近づいて来る足音が聞こえて来ました。
ん?ん?んー?なになに?なんなの?
私には霊感なんてないしそもそもそういった類の物は信じていないのですがさすがに気味が悪くなってきて再びドアの前迄足音が来ると暫らく待って…
「誰かおるん?」
と言いながらドアを開け階段下の部屋迄確かめに行きました。
しかし、そこには誰もいません。
急に私は事の不気味さに寒気を感じ始め慣れ親しんだはずの家が急に薄気味悪い場所に感じられてきました。
取り敢えず私はテレビの部屋に戻り、今度はドアを開けたままにしてみようとその場でテレビを見ていました。
そして間もなく足音が聞こえて来ました…
ミシリ…ミシリ…ミシリ…
段々近づいて来る足音と人の気配…
ミシリ…ミシリ…
もう見えてきてもおかしく無いはずの距離です…
ミシリ…ミシリ…ミシ…
やがて足音はドアの前に差し掛かりその音を止めました…
なにも、なにも見えません。
でも確かにそこに何かの気配はするんです。
私は耐えきれなくなり一目散に家路へと急ぎました。
その後そこに住む叔父にその事を話してもあまり取り合ってはもらえず、あれがなんだったのかは謎のままです。
本当オチとかなくてすみませんが本当に有った話です。
怖い話投稿:ホラーテラー かつをさん
作者怖話